せい

彼女の人生は間違いじゃないのせいのレビュー・感想・評価

3.8
これ被災地をテーマにした話だったんだ。
震災からしばらく経った町。大切な人がいない悲しみを受け入れた人も、そうじゃない人も、向き合おうとした人も、極限まで精神をすり減らしてる人も、皆被災者だ。
これは被災した “後”の話だ。災害に見舞われ、大切な人や住む場所を失ってしまった後、こうなってしまうのは想像に容易い。だけどそこを考える人はあまりいないのかもしれない。
被災地の現実だ、と感じた。
途中スナック?で働いてる関東出身の女子大生が、現状についてインタビューするシーンがあるのだけど、見ててすごいハラハラした。被災者じゃないから、いくらでも無遠慮に足を踏み入れてくる。まだ問題は解決してないのに、まるでもう全部終わったかのようにズケズケと。
テレビでは映されない被災者たちのその後(生活の面において)、一度しっかり考える必要があると感じた。
途中夜ご飯を食べながら、気が滅入っている主人公に父親が「どうした?」と聞くシーン、「どうしたもこうしたもみんな勝手!」と叫ぶのが印象的だった。
バスの窓から差し込む光と、それを受けて遠くを見つめる主人公の描写が綺麗すぎる。
せい

せい