やっぱりカルカン

アナと雪の女王2のやっぱりカルカンのネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

2021/11/19 金曜ロードショーを視聴。
「本編ノーカットで地上波初放送」とのこと。この映画は103分だそうですが、1に比べてやる事が多くストーリーの詰め込み感が否めません。特に旅に出てからは展開が早いため集中していないと置いて行かれます。そこも含めて映画全体の雰囲気が1とガラッと変わっている事を是とするか非とするかで評価が変わってくるのではないでしょうか。

・起
幼少期のアナとエルサに両親がとある昔話をしています。その話は実話でこの後のストーリーに大きく関わってくる、冒険のきっかけとなる話なので大切なシーンです。
アレンデールではみんなが幸せに暮らしています。この映画で唯一の楽しいシーンなのですが、エルサにだけずっと謎の声が聞こえています。とても不穏です。
そしてまたエルサのせいでアレンデールに大変な事が起こります。自分が国民だったら「おいまたお前かよ」と落胆するでしょう。
出発する前エルサがトロールに「弱い心で行ったら大変な事になるぞ」といったようなことを言われますがこれはフラグです。

・承
エルサは謎の声が聞こえる事をアナに黙っていました。また同じ過ちを繰り返す気なんでしょうか。アナも「もう隠し事はしないって言ったでしょ」と怒ります。前にあんな事があったので当たり前です。
エルサは一人で声のする方へ旅に出ようとしますがアナは絶対許しません。結局また国民をほったらかしていつものメンバーで旅に出ます。留守を任されたトロール…国民に同情します。
すんなり現地に辿り着いて、アナがエルサに絶対に離れないでと言ったのにエルサは離れます。この姉妹いつもそうです。やれやれ。
怒っていた風の精霊と火の精霊をエルサが魔法でしずめます。魔法すごい。

・転
両親の過去が少し分かってきて、ノーサルドラの民から第五の精霊がいるらしいと聞きます。
自分はここで「エルサの事だな」と思いました。ちなみにお礼としてダムを作った話が最初に出てきた時に「お礼どころか迷惑じゃないの?なんて酷い事を…」と思って、精霊が怒っているという話の時に「ほらやっぱりダムのせいじゃん。壊さないと」と思いました。映画の展開が全て読めてしまったんです。ここで面白さが半減しました。
クリストフとスヴェンを置いてけぼりにしてアナとエルサは北へ向かいます。この人たちはいつも置いてけぼりが好きですね。今はチームより個人の時代なんでしょうか。
エルサは両親の死の真相を知りたい!と言って魔法を使い「私のせいで両親が死んだ」と大ショックを受けます。いや、本人がそれを言っちゃいかんよ。「私のせいで」なんて驕りでしょ…しかもあんた自分で死の真相を知りたいと言ったんでしょうが。両親の気持ちも考えなさい。覚悟がないならそんな魔法使うんじゃないよ…
で、また姉妹はバラバラになります。エルサがアナとオラフを突き放して一人でアートハランに向かいます。ひどい。「私は魔法で自分の身を守れるけどあなたは違う」と言うエルサの気持ちも分かりますが、せっかく5人で出発したのにみんなバラバラです。他の4人は本当にエルサの事が好きで大切だからついてきたのに。もうこの人達に助け合いとかチームプレイとかは期待しません。
水の妖精もすごく怒ってましたがまたエルサが手懐け、アートハランにすぐ着きます。近っ!!

・結
エルサはアートハランで事の顛末と自分のルーツ、第五の精霊の正体を知り、ショックで凍りつきます。氷の魔法使いなのにそれはどうにもできないんだ…
大地の精霊だけエルサがまだ鎮めていなかったのですごく怒ってます。これもダムを壊すためにストーリー上の都合でそうしていたんだなと途中で分かっていたので予想通りその流れに。
終始バラバラではありましたが、姉妹がそれぞれにやるべき事をやって問題が解決。ここからの結末は個人的にはがっかりなのですが、自分の意思とかではなくて精霊たちがアナにアレンデール王国を任せようと決めたらしく、アナがアレンデールの新女王に。エルサは第五の精霊として魔法の森で暮らす事になり結局姉妹がバラバラになって終わります。頻繁にエルサがアレンデールに遊びに行ってる描写はありましたが、生まれ故郷のアレンデールでみんな幸せに暮らして欲しいと思っていたので悲しくなりました。エルサは精霊だったとはいえ家族と別れてつい最近初めて訪れたばっかりの見ず知らずの土地でこれからの一生を過ごすのかと思うと…

・まとめ
「離れていても愛は壊れない」というテーマなのかもしれませんが、私は「愛しているからこそ一緒にいたい」と思うタイプなのでこの映画は合わなかったです。
むしろ一緒にいないと愛が薄れてしまう自分が無慈悲なんだと思いますが、そこまで崇高な考えには至れないのでこの映画は楽しめなかったですね。色々単純な話ではないのでほんとに心が優しくて正直な大人向けの映画なんだと思います。
アナとエルサが一緒に仲良く暮らした時間って、ものすごく短かったですよね。昔のことが無かったらともかく、エルサの引きこもり期間があってのこの結末なのでより一層がっかりしました。
たまに「イライラする」というアナ雪の感想を見かけますが、自分もイライラしたし2は特にイライラしました。

アナ雪は普通の人達の集団の中で一人だけ魔法使いがいる話ですが、次のディズニー映画は逆アナ雪というか魔法使い集団の中で一人だけ魔法が使えない主人公の話みたいで。(また魔法ネタか…)そのうちテレビで放送されるのを楽しみに待っております。