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ライオン・キングのdarumazaka46のレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
2.0

意図せずして、3連続アニメの投稿です。

フルCGの「ライオン・キング」鑑賞に先立ちまして、まずはアニメ版を初めて観てみることに。

私がディズニー作品を鑑賞する動機は、今回のように「事前学習の必要に迫られて」のパターンがほとんどです。

初見の感想は「これ"ジャングル大帝"じゃないの?」。

幼少期にテレビで観て、幼いながらも胸を打たれた「レオ」の物語。

「今!?」と言われそうですが、気になったのでググってみると、「盗作疑惑」が指摘されていること等を初めて知ることにーーー。

ひいては、手塚プロダクションの、「もし手塚治虫本人が生きていたら"自分の作品がディズニーに影響を与えたというのなら光栄だ"と語っただろう」という、大人な対応に、いたく感銘を受けたりしてーーー。←「ライオン・キング」に関する感動MAX点

盗作云々の件は、アニメに疎い私にとっては、たいしたバイアスにはならないので、特に問題ではありません。

「ディズニーって自分とこの権利にはうるせーのにな」と思うくらいです。

ただ、「超実写化」との謳い文句で、鳴り物入りで公開された、この作品に関しては、製作する必要性があったのか疑問です。

細かいことを言えば「超実写化」ではないよね?フルCGでしょ?実写化だったら命懸けだし、それなら絶賛できるかもしんない。

映像技術に関しては、本物と見紛うばかりで素晴らしいとしか言いようがありません。

しかしながら、リアリティにこだわったがために、アニメにはあった、動物たちの"喜怒哀楽"の感情や表情が分かりにくくなったこと、キャラクターの見分けが付きにくくなったこと、ミュージカル要素の表現が難しくなったこと等、本物と遜色ないレベルまで、映像の質は向上しましたが、作品の世界観は退化してしまったという、逆転現象が起きています。

また、アニメと比較すると、約30分間延びた尺の分だけ、新たなストーリーやプロットが追加されたと言うこともなく、台詞や展開も、ただアニメをなぞっただけに過ぎず、テンポの悪さを招いたのみ。

思うに、ディズニーの映像技術を誇示したいだけの産物なのかなと。

ハッピーが、監督を引き受けたことも謎ですが、ディズニーに買収された現状では、長いものにうまく巻かれるしかなかったのでしょうか。

また、動物界の食物連鎖は破綻しているかと思いきや、かたや友達、かたや食料と、曖昧な設定によって、基本的に軸がぶれていると思うのです。

いっそのこと、新作の「キャッツ」のように、ミュージカル実写に振り切るとか、サバンナの食物連鎖の頂点はライオンで、他の動物がひれ伏すくらいの設定にしてしまうとか、自然界でライオンの群れの長が変わると、既存の群れの子ども達は、すべてリーダーによって殺されることから、ナラだけが命からがら逃げ出したとか、草食動物を食べるだけではなく、実際に狩りのシーンも盛り込むとか、生態系まで巻き込んだ、リアルさを追求してもよかったのでは?とも思いました。

しかし、そうなると「アース」等のドキュメンタリーのテリトリーに、足を踏み入れることになるので、やはり、この超実写化「ライオン・キング」の必要性を見出すことは難しいかな。

ヒトコトで言うと、映像だけが超リアルで中身スッカスカなので、アニメの「ライオン・キング」の世界観に満足されている方にとっては、マイナスにしかならない気がするので、あえて観る必要はないでしょう。

ただ、前述の通り、映像技術は素晴らしいので、そこにフォーカスして楽しむならば、大いに劇場鑑賞に値する作品だと思います。

私は「ジャングル大帝」と感じた時点で、映像技術を堪能することに重きを置いたので、「金と時間返せ」とはなりませんでした。

「アラジン」の実写化は、エンディングとオープニングが繋がるような構成や演出もよかっただけに、本作はかなり肩透かしを食らった印象です。

それでは、今回はこの辺で、しーゆーすーん♪
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