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ボヘミアン・ラプソディのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.4

伝説のロッカー🎬

フレディー・マーキュリー
かっこよすぎるよ、、

終始鳥肌がものでした。劇場で観るべき作品の一つです。今作はKiller QueenやWe Will Rock You、We are the Championsなど誰もが知っているような楽曲をメインに作っているので、彼らを知らない人でも気軽に見に行くことができ、そんな名曲たちの裏にどんなエピソードが隠されていたのかも知ることができるので、この映画を見てQUEENにハマる人も多いはずです。

そして圧巻だったのはライブシーンです。今作のラスト21分がAid Liveのシーンになっており、伝説のライブを映画にて完全再現しているという状態なんですが、これがもう凄いです。これは彼らのことを知っているとか、知らないとかそういう次元のお話ではないです。1つの「体験」として純粋に感動します。

ストーリーは王道の熱い友情と家族の物語を描いた作品でした。基本的にこの手の映画は、題材になっている人物について知らないといまいち作品に入り込めないということがあると思います。しかし、映画『ボヘミアンラプソディ』に関して言うならば、そういう心配はほとんど無用です。今作はQUEENの伝記映画というよりは、フレディ・マーキュリーという1人の男の友情と家族の物語に焦点が当たっています。そのためどちらかというとヒューマンドラマ映画に近い作りになっています。だからこそ彼らについての知識がなくとも、才能にあふれる男が成功を掴みながら、孤独に苛まれ、病に蝕まれ、それでも友情と家族を取り戻し、大舞台に立つという物語に純粋に感動できます。

家族という主題。『ボヘミアンラプソディ』という映画のテーマの1つもまた「家族」ということになるのですが、その描き方が個人的にはすごく好きでした。彼女のメアリーとはフレディ自身のゲイが発覚したことや彼のパーティー癖が祟って徐々に疎遠になっていき、QUEENのメンバーたちとは、ジョンリードとの関係性やソロデビューなどを巡って溝が出来てしまった、実の家族、特に父親との関係性は上手く行っていないように見受けられます。このようにフレディは「家族」というものの繋がりを次々に失い、孤独へと転落していきます。それを紛らわすために、マネージャーのジョンリードに依存し、夜な夜なパーティーを開いては、他人との「繋がり」を求めていました。フレディはどこまでも「家族」に飢え、その存在を渇望していたんだと思います。ただフレディと距離が生じてしまっている人々は、何かと彼のことを気にかけているんですよね。メアリーは雨の夜にフレディを心配してわざわざ家にまで駆けつけました。QUEENのメンバーたちがフレディにきつく当たるのは、彼のことを心の底から心配していたからです。フレディとの関係が上手く行っていない父親も新聞で彼のことをチェックしています。一方で、フレディの一番近くにいたジョンリードは彼のことを全く持って気にかけていませんし、金儲けの道具のように思っていました。そんなフレディの周囲にいる人物が対比的に描かれることで、本作は彼にとっての「家族」の何たるかを描こうとしました。きっと「家族」というのは距離や法的契約、血縁関係がその妥当性を保証するものなんかじゃなくて、どんな時でも相手のことを思い合える関係性なんだと本作を見ていて考えさせられました。「男は背中で語る」なんて言いますが、本作『ボヘミアンラプソディ』のフレディはしっかりと、その背中で語ってくれていました。
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