乳酸菌

ボヘミアン・ラプソディの乳酸菌のレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.0
個人的には決してQUEENの熱烈なファンでは無く、TVで使用されるCM曲などのポピュラーソングしか知らない程度、ただ、フレディ・マーキュリーがエイズで亡くなった時はリアルタイムで知っている世代。あとタモリ倶楽部の空耳アワーの常連だったのは皆さん御存知の通り。

類い稀なヴォイスを持ち、更にその楽曲の良さから、ホント一気にトントン拍子でスターダムにのし上がる、その時点では「メンバー間での音楽の方向性が違って解散」とか「メンバー間の不仲で解散」なども無く、順風満帆に思えたQUEENのメンバーにとっては一番幸せな時、鑑賞者もフラストレーションを抱え込む必要性は無く、スクリーンの中の彼らと一緒に彼らの音楽製作の苦労、だけど、それ自体が何か凄く楽しそうな、そんな空気感に癒される。

今でこそLGBTで社会的認知度も高まっている時代と違い、80年代、決して同性愛に対して世間の許容範囲内で物珍しさ、差別意識、嫌悪感等々、あからさまな違和感を彼らに感じていた世の中、フレディ・マーキュリー自体も差別の対象とされ、疎外される状況下、彼にとっては一番辛い時期だったかも知れない。あとアルバム製作リリース→ツアー→アルバム製作リリース→ツアーのルーティンワークにメンバー全てが疲弊して来た事も重なったりして。

しかし、それを乗り越え、再びメンバーと和解して、俺たちやっぱりファミリーだよな!なノリで、ラストのLIVE AIDで圧倒的な存在感で、そして此処での、ラミ・マレックの魂の演技は必見であり、見事なライブパフォーマンスを魅せてくれる。

この映画の特色、私的には、事実存在したQUEENと言うバンドのセミドキュメンタリーと捉えて観ていました。

彼らの成り上がりのストーリーテリングは観客の要望に応えるかの如くテンポ良く進み、しかし挫折と言うかQUEENが迷走状態、フレディ・マーキュリー自身の生き方への迷み、その辺りで多少観客は違和感?唐突にテンポが悪くなった感は否めない。まぁ、事実そうだったのだろうけど。

でも、改めて、ミュージシャン、そしてパフォーマーの両立という、希有で孤高の存在だったQUEENに改めてスポットライトが当たる、そんな彼らにとってはこの映画は最高のPVとも言えなくも無いかな?

でね、やっぱり、音響設備の整っているシネコンで観るべきで有り、欲を言うなら、最上級環境のアイマックスシアターでの鑑賞をとても激しくプッシュするのです。この手のは、テレビで観てもそれなりに楽しいだろうけど、やはり、バカでかい映画館の音量で観た方が何倍も楽しめるので、アイマックスだとちと料金高めですが、折角観るなら、こちらへ是非どうぞ御案内致しますと誘導したいのでした。
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