キシマ

ボヘミアン・ラプソディのキシマのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
3.8
QUEENについてそこまで詳しいわけでもなく、曲を知っている程度の認識なので、あくまで映画としての感想を述べます。史実は特に知らない。

なんと言ってもフレディが可愛かった。確かにお酒に溺れ、性に溺れ、クスリはやっていたのか分からないけれど、とにかくただれた生活を送っていたと思うし、天狗になる部分や人をこき下ろす態度をとる所はいただけない。いただけないはずのに、どうしても憎めない。どこか、全ては彼が純真無垢で、子供のまま大人になったからだと思えてしまいました。

周りに恵まれたね、とも。メンバーはなんて愛が深いのでしょう。ちゃんとフレディを理解してあげている感じが、そしてメンバー同士互いを尊敬し合っている感じが伺えて、あぁ、ファミリーだなぁ、としみじみ感じました。いい仲間だなぁ。

そしてメアリー。途中で見限るかとひやひやしました。懐の大きいこと。本当にフレディと向き合っていたんだね。最後まで文字通り生涯通しての友って、なかなか得られるものではないでしょう。素敵。フレディが同性愛者だから成り立ったのかもしれないけれど、性の枠組みを超えた友情って、強いです。

内容としては、もっと成功秘話のような、波乱万丈の物語が用意されてるのかと思っていました。でもそうじゃなかった。割と最初から成功していた。重きを置いている部分か違うのか分からないけれど、思った以上に簡単に売れてしまっていて、あ、よくあるグループの歴史を語りたいわけではなかったのだなと、割と序盤で気づけたことはは幸いです。割とぬるぬると話が進むのに、気づいたら着いていけていたような、最初からわかっていたような、物語を見ている感覚とかけ離れた気持ちで見ていました。

独りは嫌だなぁって。家族とか、友達とか、恋人はもちろんそうなのかもしれないけれど、それより心から信頼しあえたり、深い絆が欲しくなる。そんなお話でした。これから暫くはQUEENばかり聞いてそう。
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