〝伝説のバンド〈クイーン〉 彼らの音楽を唯一超える〈彼〉の物語ーー〟
まさに彼＝フレディ・マーキュリーの物語。伝説のバンドの音楽を唯一超えるということで、初見の人にもその凄さがよく伝わるキャッチコピーだと思った。
クイーンのリードボーカル、フレディ・マーキュリーの半生を、名曲の誕生エピソードを交えながら描く…というストーリー。
クイーンはちょっと曲を聴いたことがあるくらい、フレディに至っては恥ずかしながら無知のまま観賞した。
その結果……
フレディ、そしてクイーンに夢中になれる約2時間だった！
知識ゼロから観たとしても、充分に楽しめる。それがこの映画の凄さだと思う。
耳にしたことがある名曲が出来上がっていくエピソードは、脚色もあるだろうが興味深い。「ボヘミアンラプソディー」作曲中の様子は楽しげだし、「ウィーウィルロックユー」や「地獄へ道づれ」誕生のきっかけになるエピソードがストーリーに無理なく織り交ぜられている。
まだLGBTに理解がない時代、フレディの苦悩と破滅的な振る舞いが観ていて辛い。そして、メアリーが彼に理解を示して、以降も尊敬し合う姿勢が素晴らしかった。
「俺が何者かは俺が決める」
軋轢や逆境を経てからのライヴ・エイドのシーンは圧巻。このシーンを観た瞬間、これは劇場で観なければならない作品だと強く感じた。大画面、音響、カメラワーク。全ての要素が絡み合い、ライヴを特等席で見ている感覚を味わえる。
曲の歌詞も不思議とフレディの半生とリンクしているように思えてきてしまい、自然と目頭が熱くなる。
知らないから観ないのは本当にもったいない。むしろ、知らない方がクイーンを好きになる最高の機会になるはずだ。
