Ohana

ロング,ロングバケーションのOhanaのレビュー・感想・評価

3.5
忘れていく遣る瀬無さと忘れられていき、何度も胸を刺す言葉と共に最期の長い長い旅をするパートナーの話。

その一挙一動に、周りは一喜一憂し、それでも一緒に過ごした記憶が辛くなった心を暖かくしてくれるんだと感じる。

アップデートされない記憶と染み付いた記憶と共に生きるのは一緒にいても辛くて、自分が覚えてないことを自覚すればするほどその苦しさからどうすればいいのか分からない葛藤と、それを緩和するように挟まれる長年連れ添った二人のお茶目なやりとり。

夜に見る8mmフィルムカメラのスライドショーは二人の走馬灯のようで。

蛇足;きっと彼は死ぬまで「文法」は忘れないんだろうな……。彼自身が老人と海に出てきそう。
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