misty

リュミエール!のmistyのレビュー・感想・評価

リュミエール!(2016年製作の映画)
4.8
いたく感動した。感動の意味を誤解されると恥ずかしいのですが笑、リュミエール兄弟の"映画"とは、こういうものだったのか!
時代が、近代絵画から、写真、そして映画へと技術革新を次々にもたらす。しかし、リュミエール兄弟が許したのは、非常に厳密な構成とショットによってのみ成立しているような作品(どれも50秒ばかりだけど)だ。難しいことを言っているわけではなく、本作『リュミエール!』(もしくはYouTubeの予告動画)を観ればすぐさま確認できる。リュミエールが遺した映像では、人が馬車が車がみんな活きている。びっくりしました。現実ってこんなに溌剌としたものだっけ…? もちろんリュミエールは50秒の中でそれこそ様々に「制作」している、けれども彼ら(およびカメラマンたち)がふと映す雑踏の陽だまりや、パリの場末は、動きと活気、音と匂いに満ちている。

現実世界よりもリアリティ(ダイナミックさ?真実味?躍動感?生命感?)があること、これがリアリズム的芸術の意義なのだとしたら、僕はたどり着くのに時間をかけすぎたみたいです。もっとはやくリュミエールに出会いたかった。

歴史(順)って大事ですね(そんな話なのかよ)苦笑
misty

misty