さしすせ

ちはやふる ー結びーのさしすせのネタバレレビュー・内容・結末

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「ちはやふる 下の句(2016)」からの連続鑑賞。

新と伊織のテンポのいい押し問答がいいアクセント。
原作漫画内に伊織の記憶はなかったが、それもそのはず。映画オリジナルキャラクターだそうだ。
屋上で、制服で、裸足で、書道をする伊織。
清原伽耶さんが非常にいい。

千早は新だけでなく太一のことも1人しなかった。
"真島"の苗字入り襷を掛ける思い。

高校生最後の夏の全国大会 決勝戦。運命戦。
"しのぶれど"と“こいすてふ"。
よりによって太一と新を象徴するような、カルタと恋とを対比するような2句。

"しのぶれど
色に出でにけり わが恋は
 ものや思ふと 人の問ふまで"

"こいすてふ
わが名はまだき 立ちにけり
 人知れずこそ 思ひそめしか"

畳を叩く音がきれいに重なった瞬間。
札から離れた千早の震えた手。
千早が、"しの"を取った。
若宮クイーンの得意札、"しの"を取った。
太一の想いが詰まった"しの"を取った。

友を見つけ、全国大会で優勝し、夢を見出し、青春を結んだ高校生たち。
和歌によって1000年前の想いが時を超えたように、記することが、口伝えることが、"一瞬を永遠にとどめる力"となる。
66期クイーンとなった千早が瑞沢高校 カルタ部顧問を務めることで、千早たちもまた永遠になったのだ。
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