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X-MEN:ダーク・フェニックスの有のネタバレレビュー・内容・結末

X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

もはや見る前からお通夜のような気持ちで臨んだけど、一晩明けてもにやにやがとまらない!久しぶりにわくわくしながら前のめりで鑑賞した。

正直にいうと脚本は雑。2時間を切るだけあって、話はじんまりとコンパクトに纏まってしまい、昨今のヒーロー映画のような派手さはない。

▼不満点
・ファンファーレない!
・クイシル出して・・・エリックとの共闘をめちゃくちゃ期待してた。
・ここまでヒロインとして引っ張ってきたレイブンの終わり方・・・
・結局あの敵は何だったんだ?最後の敵にしては骨がなく無策。悪(というかなんというか)の構想?が弱く一瞬で片付く。2時間だからね・・・敵も巻かないとね。
・まかぼいはもうチャールズはできないのかも。「やばいこれビースト出てくる!」「これパトリシアさん!」「これまかぼい!」って感じであの浮世離れしたチャールズを演じるのは少々きつそうだった。
・エリックがジーン殺すマンになる動機がぶれている。

▼最高な点
でもそんなことは置いといて、エリックがかっこいい!ありがとうございます!
あんなに頼れるエリックがいただろうか。イアンエリックがチャールズを守ろうとしたとき「お父さんもうちょっと頑張って!」という情けない感じ(そこがいい)だったのに対し、今回は惚れ惚れする頼りがいのある大黒柱感!
 チャールズに失望した子がエリックのほうに助けを求めに行く構図がもう最高。ジェノーシャをあんな素敵な環境にしてたエリック最高。ファスベンダーがかっこいい最高。地下鉄持ち上げるのめちゃくちゃ時間掛かってるじゃん必要あるの?とか、それはか っ こ い い か ら だよ!
 ニックがとにかくもうこれまで史上最高にかっこよくて恋する。
 ちょっと調子に乗ってるチャールズのわからずや加減もいい。チャールズほどの存在が地位や名誉にきゃっきゃするのは、やっぱ日陰の身ではなく認められたいっていう気持ちがあったんだろうか。そんなチャールズを、エリックはジェノーシャからどんなふうに見ていたのかな。
 チャールズを歩かせるえぐい描写もいい。ジーンの枕元にあったスコットとのツーショットがめちゃくちゃ可愛くて泣ける。
 ラストシーンでもう全て最高。
 このラストシーンが刺さる層と刺さらない層がいるのは重々わかる。刺さらなかった場合にはそっとローガンを・・・
 でもこの映画は、3部作のあとの別冊付録みたいな感じだと思うから・・・ふたりが仲良く終わってくれるだけで、幸せになるのだ。

チャールズは確かにちょっと調子乗ちゃってた。日陰の身から脚光を浴びてテンションあがっちゃってた。でも役に立つって示し続けないと子供たちはデップー2の養護施設みたいなとこに行かされるかもしれないわけで、強迫観念的なもので分からなくなっちゃってたのかなあと思う。
でも学園再建して一生懸命走り続けたのに、もう潮時だってハンクに学園を譲ってひとり旅に出て、でも何していいか分からなくて日がな一日カフェでぼうっとしながら、自分に何が残ったのかなとかどんどん考え込んじゃいそうな場面で颯爽と出てくるエリック!
年取って信じられるものは金と筋肉と友人って島田紳助が言ってた。エリックが来たからこれで役満。

どのキャラに思い入れがあるか、Xメンにどんな思い入れがあるかで評価はガラッと変わるだろうけど、とりあえず3部作を見ずに行くのは全く何もわからないからやめたほうがいい。
有