かすたん

ランペイジ 巨獣大乱闘のかすたんのレビュー・感想・評価

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)
2.5
巨大獣が街を破壊し尽くすパニックもの。遺伝子操作によって巨大化&超進化した獣たちが人類に牙を剥く。

大作CGエンタメとしては文句なし。お猿のジョージ、狼、鰐といったいかにも凶暴そうな連中がでっかくなって激おこして街を破壊する。軍隊がまったく歯も立たずに撃退されていくのは一種の様式美だ。
また、主人公とジョージの間に育まれた友情も〆としては心地よい。共に傷を持つ者同士だからこその関係性を想像できた。

ただ、いただけない点も幾つかある。
巨大&凶暴化というせっかくの設定なのに、他の生物の能力まで都合良く取り入れているため「狼が巨大化したら」「鰐が巨大化したら」というIFの想像がなく、単なるモンスターとしての魅力しかない。某格闘漫画にあるような「カマキリが人間サイズだったら」といった生物学的な設定のハッタリを捨てていたのは残念だ。また、二匹の獣がそういった何でもあり怪物だったのに対しゴリラだけはでかいゴリラでしかないのも不均衡を感じる。三匹とも単なる巨大化&凶暴化とするか、あるいは超進化とするかのどちらかに統一した方がパンチの効いた内容になったのではないか。
また、人間側が愚かなのは古今東西あらゆる映画のテンプレではあるのだが、本作では敵と味方が手を組んだのに別行動だったり使えなさそうな新入りがいるのに活躍の場はなかったりなど、人間たちのドラマとして上手く調理できそうな要素があったのに手つかずのまま終わりを迎えてしまった感がある。また、主人公とヒロイン?の関係性も特にスポットの当たらないまま最後は良い感じになっていたのもモヤモヤするところだ。

後半まで怪獣大決戦なシーンは少なかったうえ、期待以上のものはなかった。であればそれ以外はどうかと言われるとそちらも勿体ないことばかり。褒めたいのに褒められない、そんな痒いところに手の届かない映画だった。
かすたん

かすたん