おはうち

ランペイジ 巨獣大乱闘のおはうちのレビュー・感想・評価

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)
-
鑑賞当時2018/05/18

これって1対2じゃ部が悪いと思いきや、ドウェイン・ジョンソンの「俺とジョージで倒す」の発言から、生身の人間も頭数に入って2対2の構図になるのも、粋な計らいというか流石っぷり。

近年の怪獣映画の中でもトップクラスに面白かった。巨獣大乱闘の副題に恥じない、出し惜しみ無しの対戦と暴れっぷりに破壊だった。

サイズ的に蒲田くんが3匹同時に大都市シカゴをドンドン破壊しながら進撃する様子は痛快。シカゴの地形を上手く使っていて、川があって橋があるからワニが参戦できるし、上陸の画も撮れる。橋を駆けていく姿、遠吠え。積極的に軍隊と交戦する様子も痛快。

悪党の姉妹の落とし所よな、落ちるのなサイコーだよ。お姉様に関しては今年トップレベルの悪党の落とし所。

半壊したビル下からのワニ怪獣の目線に追い掛け回れされ、逃走からの窓を突き破ってからの、ワニの完全ビル破壊の決め画とかサイコーじゃん。

かつて密猟者を殺めている話をした直後、その場から去る背中と頭部には血痕が付着しており過去を背中で語ってみせる。破壊された輸送機の上で背中を向けているドウェイン・ジョンソン、ナオミ・ハリスとの対話、拳をぶつけ合うまでの交流に繋がる。

空中で落下しつつある輸送機で気絶しているジェフリー・ディーン・モーガンを、命を懸けて救出したからこそ、後にヘリのキーを渡してくれて空中を飛ぶことが出来る。

手話の意思疎通に泣かされたので、実質『聲の形』。序盤から反復される、正面から手話で意思疎通をする描写を丁寧に重ねるので心に響く。そして、猿のジョージとドウェイン・ジョンソンとの相性が抜群。表情の豊かさには参った。友達サイコー!!

予告から想定されている怪獣、モンスター、ドウェイン・ジョンソンから逸脱しない安定感がある話運びに、需要に応じた映像を一定以上に供給してもらい、物語の落とし所は気持ちが良いというサービス。この満足度の高さだよ。

意図的なのか天然なのか分からないのが、銃の描写。ジョージに銃を向けないように、手話を用いた正面からの対話で平和的解決を図る描写が目立つわりに、輸送機で麻酔銃を向けようとする展開の危うさに自覚的じゃない。ジョージが戸惑うとか、信頼に揺らぎを感じない。

巨大化するゴリラを適度なサイズへと操作する事で、どの空間で一番効果的にサイズ感を利用したアクションをできるのかを考えている。特に輸送機内部での大暴れ、何かに掴まり体の自由が効きながらの対人戦、アクション設計が上手い。
おはうち

おはうち