名も無き辛口評論家

ランペイジ 巨獣大乱闘の名も無き辛口評論家のレビュー・感想・評価

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)
2.0
「ランペイジ巨獣大乱闘(吐き気を催す白人差別)」

ランペイジ巨獣大乱闘を観てきた。内容は、酷い白人差別を催すポリティカルコネクトレス作品。はっきり言って逆差別の温床。

主となる白人役は最初の宇宙飛行士に始まり、悪役の姉弟(きょうだい)など食われたり、潰れて死んだり悲惨な最後を迎える。その他、冒頭に登場する白人青年は、ビビりでお漏らしをするようなヘタレとして描かれ、2000年代であれば助手として活躍するポジションさえない。また、その青年が口説いてた白人女性が、ドウェイン・ジョンソン演じる主人公に良いよるビッチキャラとして描かれるなど、ここまで白人差別のような映画を観たことがない。

最大の差別と感じたのは、映画のメインである「白いゴリラ」だ。誰がどう観ても、従来の黒いゴリラ=黒人への暗喩から、ついには白人がゴリラという皮肉にポリティカルコネクトレス社会の生きにくさと、現実の社会で台頭するWASPとトランプ大統領へのルサンチマン(ressentiment)しか感じられない。

そして反吐が出そうだった逆差別は、ゴリラの名前は白人男性に多い「ジョージ」である(ジョージ・ワシントン大統領)。誰がどう観ても白色のゴリラ=白人が暴れ回り、白人資本家の姉弟を殺すという白人へのヘイトが詰まったポリティカルコネクトレスによる逆差別映画が極まった作品。ヒロインは、当然、黒人。

いい加減、こういう映画まで政治色に染めて分かりやすい風刺をするのは辞めて欲しい。

アクションシーンは、申し分ない作品だ。また、ウォーキングデッドに登場するニーガン役ジェフリー・ディーン・モーガンで作中のニーガンを彷彿させるシーンがパロディとなっている。

アクション映画として観れば80点。政治思想の暗喩など白人への差別を加味すれば映画の点数は20点程度。もういい加減、怨念返しのような稚拙な行動を映画は辞めるべき。