Kitty

リングのKittyのネタバレレビュー・内容・結末

リング(1998年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

小中理論関連作3作目(ほん怖除く)
やはり近代Jホラーの、また小中理論の1種の到達点とも思える作品。
そもそも筋がミステリー要素を多分に含んでいて引き込まれるところに、原因となる幽霊像をほぼ見せず(テレビの反射と貞子祖父の回想くらい)、細々とした怪奇描写と役者の演技や表情で緊迫感と恐怖感を煽っていく演出は見事である。女優霊との違いが最も大きいのは役者の演技力、次点で脚本、演出というかんじだろうか。
実質、ホラー的な怪奇現象はそんなに多くは起こっていないが、呪いの存在を決定的にする、裏にいるのが超自然的な存在と確信させるのにいいタイミングで起こっていた。
そのホラー描写の少なさや地味さがある種のリアリティを増大させているように感じた。さらには1度緩和(展開も役者も)を挟んでの元凶の登場するクライマックスは最高。何も言葉を発せず顔は髪で隠れ白いワンピースという、ある意味で無個性な外見でこちらの想像力を刺激する幽霊像は秀逸なデザインだと感じる。
全てにおいてやり過ぎず絶妙なラインを攻めた脚本演出役者の素晴らしかった。

さいごにあまりにも貞子がポピュラーになりすぎたこととクライマックスが知られていること、また着信アリなどの構成や展開を利用した劣化版リングで、現代では純粋な恐怖に繋がり辛くなっているかもしれないのは勿体ないと感じた。が、それだけこの作品がホラー界に与えた影響も改めて感じた。
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