マオ

検察側の罪人のマオのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
2.5
はやく新鮮な空気が吸いたくて、明るくなってから逃げるようにふらふら劇場を後にしてしまった。
何度も何度も深い呼吸をしながら見ていた。少しでも息を止めたらそのまま闇に飲まれそうで怖かった。
吐き気がこみ上げてくるようなあの感覚が心地悪くて、はやくこの苦しさから解放されたいと思いながらも、この人たちの “正義” を見届けることが義務かのように、緊張感に縛り付けられながらただずっと見ていた。

“正義” がなんなのかを考えさせられる。
あの正義に救われた人はたくさんいると思う。
だけどきっと人として正しい行いではないんだよ。救いはあっても、正しくはない。
けど全ては誰かが決めたことでわからなくなる。
善も悪も全て、人が決め人が裁き人が許す。
本当に “正義” とはなんなんだろうか。

松倉の自供シーンで吐きそうになった。
本当に気持ち悪い。ああいう人が実際にいるのが理解できないし、理解したくない。
犯罪者たち以外の登場人物みんなの気持ちはわかるというか、もし自分があの立場ならきっと同じ行動をするだろうと思う。だから本当に正義について考えさせられてしょうがない。

二宮くんの怒り悲しみ苦しみの感情を200%露わにした、迫真の演技は圧巻の一言。完全に見入ってしまうし、本当に恐ろしかった。
自分の中の正義と、自分の信じる正義と、自分の信じている人の正義。
その中でぐちゃぐちゃに揉まれ葛藤する様子がすごく良かった。
だけど引きずりたくない余韻だ。。
マオ

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