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ミスター・ガラスの新品畳のレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.7
作家性全開で面白かった。
正しさよりも、作り手の個性的な信念やメッセージがある作品はいい。

人間の身体(からだ)と精神(こころ)が織りなす途方もない「やるせなさ」との折り合いの付け方として、"社会の中での個人としての役割"に答えを見つけるしかなくなるのは「人間の世界が大きくなり過ぎてる」ところにも問題があるようにも思う。

本来なら英雄というものが調停者となるべき存在なのに、それ自体の暴走を危惧する組織が出来るというのも皮肉な現象だ。
"スーパーヒーロー"たちを分析・解体するのではなく、善悪関係なく虐げられた才能や力が世に解放されること、それがこの映画の一つのテーマであったが破滅願望や快楽主義的な方向に踏み込んでいるようにも思えた。
普段、享楽的な価値観で動いている自分とは違う意見に納得のできる終幕ではなかったが、挑戦的かつ挑発的な内容に胸が躍っていい映画体験が出来たので満足。
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