Kei

吾輩は猫であるのKeiのレビュー・感想・評価

吾輩は猫である(1975年製作の映画)
3.0
何気なく再生した漱石の実写化。
昔の映画は間が早くて置いてけぼりになる感覚があったけど、今作はコミカルな登場人物や間抜けなアレンジのバッハの劇伴の助けもあって、心地よいテンポで観れた。

最初は猫が思ったよりクローズアップされなくて少し不安を感じていたが、鑑賞者が猫の役をしながら観る映画だった。登場人物たちがする会話はどこか空虚で、観ている人にとってはあってもなくてもどっちでもいいような話ばかり。そのような話を立ち聞きしながら、私たちが猫として自分たちなりに論評するような空間を、監督は作りたかったのかな。

吾輩の猫を演じたティムがなかなか役者猫で素敵だった。
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