このレビューはネタバレを含みます
宝塚で観劇後、余韻醒めぬうちに初鑑賞。
先に舞台を観てしまったのであらすじは知っていたのに、後半はやっぱり泣けてくる。
好きな人に一生触れずに生きていく。
そんなとんでもない決心をしてしまう健司と美雪。
ふたりの愛の育み方が美しすぎて切なすぎて。
ガラス越しにキスしたり、ハンカチ越しに手を繋いだり、切なくとも微笑ましくて、この辺りはまだいい。
本当にツラいのはその先。
歳を重ねて弱っていく健司に、手を差し出すこともできない美雪。
(ここで一瞬、実家の父がコロナに感染してしまい自宅療養中だったとき、母が泣きながら「ツラそうにしてるのに何もしてあげられないんだよ!?こんなことってある!?」って電話してきたときのことを思い出してしまう)
それでも穏やかに距離を取る健司と美雪に、幾度も訪れ、乗り越えたであろう苦難の数々を想像した。
最後の最後でようやく健司に触れることができて消えていく深雪には、「よく頑張ったね」と心の中で声をかけてしまった。
結局、死の間際でしかお互いの温もりを感じることができなかった、という悲しい涙から一変。
ラストの、健司が作った映画の世界。
予想を裏切ってくれるハッピーエンド。
あたったかい涙で締め括ることができました。
見つけてくれてありがとうっていう言葉が、すごく残る。