フィニー亜蘭

尊く厳かな死のフィニー亜蘭のレビュー・感想・評価

尊く厳かな死(2015年製作の映画)
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尊厳死を主題にしているということで関心が深い内容であった。
僕自身、尊厳死の協会から資料を貰い、検討している。そのタイミングでの鑑賞。さて、話だが、実母か突然倒れて脳死状態になってしまう。母は尊厳死を望むことを意思表明していた。そこで延命か、処置を止めるか、判断に苦しむ息子夫婦と娘。僅か60分という尺で自主映画(監督や主演者が、そう表現していたので、そう書きますが…)として描き、それゆえの自由さはあった、と思うが、少々、内容に薄いことが…まず以前から延命処置を望まない尊厳死を表明しているなら、子供たちに伝えているだろうと思う。その点では母親の責任感もあるような気がした。更にもう一点、全く入院費や延命治療に関しての医療費が語られないこと。ここが一番大事なのではないか、母親の看護に関する問題は出てくるが、お金に対しての問題は全くない。なんか死をあつかうドラマだからと言って、費用のことを少しも描かないのはどうか、と思う。リアリティを出すのなら、その点にも触れてほしかった。
お涙頂戴では終わらない作品で好感は持てるものの、いかにも舞台してます!みたいな大げさな芝居を全員がしているので、映像としての見映えが薄く思えた。舞台劇ならば、かなり良い線をいくドラマだと思うのだが…
特殊造形で土肥さんの名前があったのは、ちょっとした驚きであった。
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