尊く厳かな死の作品情報・感想・評価

尊く厳かな死2015年製作の映画)

上映日:2017年07月15日

製作国:

上映時間:60分

3.5

あらすじ

「尊く厳かな死」に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

1.0
【サンクスシアター27:尊厳死、以上】
サンクスシアターにて。尊厳死を扱った作品だが、湿っぽく問題を捉えるだけで終わる典型的なダメ日本映画でした。私の苦手な映画的演出がない真面目映画。ただ、そこから映画的視点がある『カランコエの花』が生まれたと考えると中川駿監督は注目したいなと思う。
60分で語るにしたら重すぎるしむずすぎるし正解は出ない
こうなったらたとえ本人の意思といえど決断を下すのは難しいし当たり前だけど最終確認できないし ウーン ムズ
QTaka

QTakaの感想・評価

3.8
人の”死”の話では無い。
私たちの”生き方”の話である。
或いは、私の”死に方”の問題かもしれない。
.
『尊く厳かな死』=”尊厳死”
映画の中で出てくるキーワードだ。
脳に損傷を受けた母親が所持していたカードに「尊厳死の宣言」が有った。
自らの死を、あらかじめ宣誓し、家族や医師に対応を求めるものだ。
人の最期の現場を、その息子と妹、息子の嫁の姿を通して映し出した。
.
このキーになる尊厳死を宣言する文書。
「尊厳死の宣言書」(リビングウィル)に意識が行ってしまう。
すると、医師と家族の問題に矮小化され、あるいは”血のつながり”だとか、立場の違いといった家族模様になってしまう。
でも、この映画ではそこに留まる事は無い。
「尊厳死」を宣言した母親の気持ちに、そのフォーカスが及ぶ。
既に、意識も無く、話す事も出来ない母親の、「尊厳死」への思いをどこで確認するのか。
それを書き留めたものや、手紙が有るのだろうか。
そこに残された者たちはどうやってたどり着くのだろうか。
それは、娘と母親の会話の中にあった。
.
母は、娘との会話にその思いを吐露していた。
先に倒れた夫について、亡くなった後も、その看病の中で見た病の床の姿しか思い起こせなかったという。
もっといろいろ楽しい時間も、嬉しい出来事も有ったはずなのに、終わりを迎えた頃の、辛い思い出しか残っていなかったと、その心情を話してくれていた。
母親の、「尊厳死」への宣言は、残される家族への想いの末の決断だった。
その事を知った時、はたして家族は…
そうなると、これが一枚のカードに過ぎないとは、決して思えなくなる。
そこに込められた想いに、動かされる。
.
「尊厳死」の現場を一つの視点で描き出した映画である。
そこに有ったのは、死に行く者の消えてゆく姿では無く、死の床に有ってもなお、家族を思い、息子、娘を想う姿だった。
そして、その想いに応える家族の姿だった。
人は、死ぬまで生きるのだ。
人は、死ぬまで生きなければいけないのだ。
そう思った。
.
この映画を配信サービスの『青山シアター』で鑑賞した。
残念な事に、このサービスは2020年6月28日で終了してしまう。
こういう、レアで、貴重な映画を見る機会が一つ減ってしまう事はとても困る。
昨今のコロナ騒動の中で、映画の配信サービスがたくさん始まっている。
しかし、問題は数では無い。キュレーションの質だと思う。
若手監督の初期の作品を豊富に見られる事や、当然その映像に新人俳優達が見られる事も実に楽しく、発見に満ちている。
今回見た、中川駿監督の作品もあるいは出演者達も、初期の作品が有り、今の活躍が有る。
だから、このライブラリーは貴重だった。
同様のサービスが再び始まる事に期待したい。
tmurata

tmurataの感想・評価

3.8
カランコエの花の監督作ということで、以前から興味があったので鑑賞。
悪くはないが、残念ながらカランコエの花のような衝撃はなかった。これは作品の問題というより自分自身が親に対してあまり思い入れがないことがあるのかと思う。
あと実体験に基づいているとのことだが、今時、あんな患者の家族を責めるようなコミュニケーション取る医者いるのか、とか奥さんが子供優先するのに葛藤し過ぎとか気になった部分あって、イマイチ入れなかった。
karin

karinの感想・評価

4.1
去年、旦那くんと入籍をしました。

もし私が寝たきりの植物人間になってしまったり
はたまた私が死んでしまったら、
旦那くんには早くわたしのことは忘れて
自分の幸せを見つけてほしいと思う。

旦那くんにはずっと幸せでいてほしいし
私への想いに苦しんでほしくないと思う。

こちらの作品は中川監督の自身の経験を元に生まれた作品。

尊厳死とは、治癒の見込みがない人たちが
自身の命を終わらせらる権利。
スイスでは自殺ほう助が合法化されていますね。

人は皆、選択の余地などなく
生まれきてしまったら生きることを余儀なくされます。
それに対して死を選べる権利はあって然るべきと思う反面、

死ぬ権利は存在するのに、生きる権利がないが存在するのは平等ではないので
なかなか一筋縄ではいかないな。。。

(※生まれてこれない、余命が限られている人、殺されてしまった人など生きる権利を与えられない人もいるので)
誰がどう見ても内容が推測のついてしまうタイトルがすべてを物語っている。

映画というかあまりフィクションである必要性が感じられない作品。

同監督の後発作品「カランコエの花」に比べてぎこちなさがだいぶ強い。
カット配分が寄り寄り寄りと寄りばかりな上に、ショットはタイトすぎ
深度は浅すぎで手持ち撮影のブレがあまりに大きく見ているだけで疲れてしまう。

また脳死状態になった母親に尊厳死を認めるかどうか家族の葛藤だけで60分持たせるのはきつい。
30分ぐらいにして登場人物を母親と息子夫婦だけにすればもっと見やすくなったしドラマも締まって見えたはず。
ついでに言うと「尊厳死」そのものをあまりにもストレートに描きすぎたためにフィクションで作る必要性が薄くなってしまったというのも問題。
社会問題を取り上げるのは大いに結構だが劇映画として落とし込むのであればストーリー性なりドラマ性なりに包んでほしかった。

ただやろうとしてるしていることは伝わってくるし
冒頭と最後に関しては実際上手くいっていると思う。

監督が同い年なので常に嫉妬しながら見るしかないという。

というのも今年見た映画でも最高クラスの傑作カランコエの花の監督ですから、やはり映画作りめちゃめちゃうまいです。

そして母親の尊厳死をテーマに監督が27歳の年齢でどんな結末を脚本に書いたのか、きになっていたけど、まぁこうあるべしなんて答えなんてないし、委ねられるのは人間としの気持ちなんだっていうまぁ当たり前な部分でもあるからこそ、
「辛いままの記憶で残っていたくない」っていうセリフはグサリですね。

主人公が母の病室から医師のところまで行く長いストロークをノーカットの長回しで見せる辺りが、本当に監督の人間力の高さがひしひしと出てますね。

非常によき映画でございました。
先日観に行った『カランコエの花』が非常に良かったので中川駿監督の前作を鑑賞。
こちらは尊厳死をテーマに家族の葛藤を描いた作品だ。
『カメラを止めるな!』にも出ているイワゴウサトシを主演に迎え、この監督らしく静かに重いテーマを丁寧に描いていた。

脳死した母親が「尊厳死」を望んでいたとしても、実際に家族はどんな選択をするだろうか?
母親を生かしておくにしても、息子は働かないといけないので負担は義理の娘にかかってくる。
その娘が延命を望まない気持ちもわかるし、その気持ちを夫にぶつけるシーンはなかなかの決断力だと思った。

望まない延命を尊重するか?
自分がこの立場だったらどのように考えるだろうか?
「死」と「家族」についていろいろ考えさせられる作品でした。
AS

ASの感想・評価

4.0
一母親として現実に即した考えを夫に宣言しなければならない妻、またそれを言わせてしまった妻に対し無言で応える夫。窓が閉め切られた車内という空間で、行き場のない感情を吐露し、葛藤する二人の姿に心を掻き乱された。
それとは全く対照的なひらけた浜辺でのシークエンスも印象的で、チョイスする台詞がいちいち繊細。「叫ばなくていいの?」は反則
dita

ditaの感想・評価

3.0
@シアターセブン
そろそろ向き合わなければいけない問題なので、観てよかった。息子役の方の演技が自然やったから、なおさら他の人のがっつり芝居がアレ。死に方を選ぶということは人間の究極のエゴやと思うから、他人(家族)が介入しても納得出来る答えはないよね。
いちばんグッときたシーンは、母の手を拭くところで、やっぱり体温を感じるというのはとても大切で直接的に生を感じるから、本人の意思を尊重したくても感情が追い付かない。実家で飼ってた猫が死んだ時に身体触って冷たくて、やっぱりそれで死を実感したもんなぁ。
>|