これまで新しい（アメリカの）神話を作ろうとしてきたマーベルが、徹底的に北欧神話をバカにする作品で、ここまでやっちゃうとバカバカしくてもあっぱれだなと思えてしまう。『ドクターストレンジ』でも似たようなことを感じたが、北欧神話まで持ってきて結局勝つのは西洋近代の権化（本作においては近代兵器）かよ！ というカタルシスがある。そのラインで考えれば、他作品からの友情出演がドクターストレンジと、アイアンマンの服を着た「博士号7つ」のハルクなのはかなり自覚的だと言えよう（余談だが、ハルクが博士号を強調したことによって、『シビルウォー』を中心としたマーベルにおける階級差の問題が明晰になったことに笑ってしまった）。
ただまあ、あんまり好みの作品ではなかったかな。
