片腕マシンボーイ

おじいちゃん、死んじゃったって。の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

4.1
邦画って面白いなぁ、ってしみじみなる良作
岸井さん目当てで観に行っただけやったけど大満足な作品でした

彼氏とのセックスを中断して電話に出ると祖父の訃報だった
庭にいる父に声をかける「おじいちゃん、死んじゃったって!」
ちょっとだけ普通ではない家族は無事におじいちゃんを送りだすことができるのか?

家族との別れという、誰も味わいたくは無いが、多くの人が人生に何度か経験するであろうイベントを舞台に、家族同士のエゴとエゴがぶつかり合う苦々しい物語であるが
その泥沼の中だからこそ時折覗く人間の美しさが際立ち、決して涙ちょうだいの感動巨編では無いものの、思いがけずウルっときたのでした

皆さん知っての通りマシンボーイは結構キャラクターを重要視する癖がありますが、その点を見ても本作は際立って良いです!みんなキャラ勃ちまくりです!あ…勃ってたのはオアズケくった彼氏だけか

まずはヒロインの岸井さんな
めさめさ際立って美人なわけではないけどマシンボーイが岸井さん好きで仕方ないんはきっと和犬顔だからやと思います、柴犬系の岸井さんの顔立ちは思わずワシャワシャしてしまいたくなるくらい好みです
そんな岸井さん、先日観た「太陽を掴め」ではとんだ糞ビッチ役でマシンボーイもスンスンなったもんですが、本作では可愛らしい田舎娘感にやっぱ岸井さんやなぁ!なりました
おじいちゃんが死んだ時にセックスしていた事に罪悪感を感じるヒロインの姿に、やっぱ僕の好きな岸井さんはこういう素朴で良い子の役の岸井さんやなぁ、なりました
柴犬感が重要!
鳴り響く打ち上げ花火の音に紛れて岸井さんが大声で叫ぶシーンな、下手に台詞にするよりダイレクトに伝わってきて良かったわ、ひとり劇場だったら一緒に叫びたかったわ
あ、岸井さん大好きやけどタバコ吸う女性とは、もちろん男性でも、チュウできないんですよねぇ…、本作の岸井さんタバコ吸い過ぎ!残念…

そして、死んじゃったおじいちゃんの子供達な、長男の岩松了、次男で岸井さんのお父さん光石研、年の離れた末っ子で長女の水野美紀
この3人の決定的では無いものの内面にそれぞれ思う所ありなんがな、おじいちゃんの死をきっかけに破裂しましてな…
特に長男、次男の大人気なさと言ったら大変よ!もし自分のおとんがこんなんやったら嫌いになるわぁ
でも映画で客観的に見てるぶんにはめちゃ面白い、親戚一同集まってる中で大喧嘩始める岩松了と光石研にはゲラゲラしかない
水野美紀はアクションシーンはもちろん無いがフェラーリが似合いすぎ

長男家族はな、特に子供達が良い味出してるね、浪人ニートの長男は岡山天音くん、彼は不憫な役やらせたら映えるね!香典泥棒と疑われる天音くんのいじけっぷりが素晴らしい!まぢダメ人間感が弾けてますわぁ
反抗期の妹役の小野花梨ちゃんもお父さん嫌い感が絶妙!イヤイヤなんて言いながらハゲ隠しスプレーかけてあげる姿が可愛かったですねぇ、パンチラ具合も絶妙で最高だぜ!

他にも岸井さんのお母さんや弟、天音くん花梨ちゃんのお母さん、みんながそれぞれ良いキャラしてて、みんなにそれぞれ良いシーンがあるんですわぁ
完全にボケてるおばあちゃんが「おじいちゃ〜ん!」叫ぶシーンも良かったなぁ、みんながポカーン…つって
あ、あとコジロウな、おじいちゃんの家のワンコロのコジロウ、他にもワンコロがチラチラ出演してましてね!
コジロウのその後だけが本作の心残りや…

そんなこんな、クスッと笑えて、ジ〜ンとくる、死と性と家族の物語
エンドロールの主題歌も作品によく合っていて余韻に浸れましたね

実はね今日は本作を観た後に、すずちゃんと葵ちゃんに会いに「先生!」観に行くつもりやってんけど、本作の満足度があまりに高くてね、「先生!」なんぞ、すず&葵がいくら可愛くても本作を観た後にとても観ていられる作品ではなかろうと、とりあえずインドカレーだけ食べて帰ってきましたわ
いやね、本作の終盤に岸井さんがある疑問を確かめるべくインド旅行に行くんですがね、ついついインドカレー食べたくなっちゃって
美味しかった〜