ouch128

おじいちゃん、死んじゃったって。のouch128のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

2019.09.01

岸井ゆきのとポスターのイメージビジュアルの穏やかさとは裏腹に、結構ズブズブに刺さってくる映画だった。

だいたいの家族が抱えていたり、直面している厄介な問題のすべからくが、この映画の中では網羅的に取り扱われている気がした。この脚本をつくるに当たって、なかなかキャラの設定が大変だったと思う。そのくらい各キャラクターがしっかりと確立していて、スタンスと思考が徹底されていた。

人間の最小のコミュニティの単位である家族ならではの面倒臭さ、厄介さ、それでも繋がり続けなければいけない宿命めいた関係性と、少しひねくれてしまう愛情。この面白さや奥深さみたいなものは是枝監督にも通じるものがあって、邦画が一番得意とするところなんだなぁと改めて感じた。

作中の人物はみな割と欠点を抱えているのだけど、それでもちゃんとよっちゃんの母親や弟、いとこのちはるちゃんをはじめ、良心・道徳的キャラクターを残しているから、ストーリーは進めやすかったと思う。中盤くらいで痴呆症のおばあちゃんが「おじいちゃん」と絶叫するシーンは、ここ最近の生活のなかでもグッどきた名場面。畳の上で小便させといてよかった。深みが出てた。邦画ならではの撮影の綺麗さもちゃんと際立ってた。

あと、地味に住職補佐にセックスするのか聞く場面が良かったなあ(笑)あの濁し方は日常で是非とも取り入れたい。
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