ノラネコの呑んで観るシネマ

写真甲子園 0.5秒の夏のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

写真甲子園 0.5秒の夏(2017年製作の映画)
3.7
2017年に公開されていた作品なんだけど、なぜか今になってオンライン試写にて。
北海道の東川町で1994年から開催されている、全国高等学校写真選手権大会、通称「写真甲子園」に挑む高校写真部を描くご当地青春映画。
軸となるのは、部員三人だけの東京の桜ヶ丘高校と、女子生徒三人組の大阪の関西学院。
全国予選で選ばれ、本戦に進むのは18校のみ。
北海道の大自然の中、写真部員たちは三日間それぞれテーマを与えられ、最終的に優勝が決まる仕組み。
問題を抱えた二つの写真部員たちの葛藤が交互に描かれ、絶対王者の沖縄琉球高校を追うという展開なんだが、関西学院の話がドラマチック過ぎて桜ヶ丘の方の影が薄くなってしまった印象が。
終盤に語られる千葉真一と平祐奈のエピソードも、言わんとしていることは分かるが、ちょっと唐突感があった。
群像劇とは言え、部員それぞれの「撮る動機」はもうちょっと描いて欲しかったし、一瞬を切り取り永遠を与える写真の持つ精神的な意味は、ディープに追求すべきだったのではないか。
しかし北海道のロケーションも美しく、コロナで外に出られない今、なかなかに気持ちの良い爽やかな作品だった。