とうがらし

エキストランドのとうがらしのレビュー・感想・評価

エキストランド(2017年製作の映画)
3.0
闇落ちするフィルムコミッション(通称:FC)視点の「キツツキと雨」

これだから日本の映画は……な要素を自虐した作品。
”超”低予算映画の製作問題点早わかり(ご当地映画あるある)

「ハリウッドに憧れてる奴が、見よう見真似で日本でやってみました…みたいな一番やっちゃいけないパターン。映画ごっこだよ」
と大言壮語するプロデューサーの実績は、大滑りした一本だけ。
ゴミみたいな実績でも残したら、今度はちゃんとした企画にお声がかかる…と監督も儚き願望を糧にやらなければならない。
世知辛い世の中に、引き受けざるを得ないセミプロ・ノンプロ監督や、映画製作での被害経験がある地域に、シンパシーを感じる人におすすめの胸糞映画。

本作は、超低予算のご当地映画に凝縮して語られているが、他の規模の映画でも似たような問題はある。
邦画のクオリティの低さは、実は、制作よりも製作の醜さからきている。
監督の才能うんぬん以前に、プロデューサーの実力が問題なんです…。
私が知ってる映画プロデューサーはもっと悲惨だった(汗)

説明的に誇張しすぎるところは業界の問題点を洗い出すために多少大目にみたとしても、視点が定まっていないのは失敗。
冒頭をプロデューサー視点にして、五月雨式にフィルムコミッション視点に移行させて、時々監督視点。
おそらく観客からすれば、プロデューサー、監督、フィルムコミッション、それぞれ役割の違いが、あまり呑み込めないのではないだろうか。
プロデューサー側とフィルムコミッション側の間に挟まれる、中間管理職的な監督の視点を物語の軸にして組み立てていれば、もっと良かったかもしれない。

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=LNwcjuAkMcY
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