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生きる街のpandaのレビュー・感想・評価

生きる街(2018年製作の映画)
4.0
フィルマでこの映画を知り、鑑賞。
観てよかったです。

夏木マリさん演じる母親がすばらしく魅力的。

映画は震災後のある女性の日常を映します。
自転車で走る姿
近所の人と話す姿
海を見る姿
ラジオを聴く姿
眠れぬ夜に外を見る姿
家のあった場所に座る姿

一人の女性をカメラでとらえながら、その家族を取り巻くいろいろな人や思いを見せてくれました。
母として、女性として、一人の人間として。

親子の関係、母と娘、母と息子
兄弟の関係、姉と弟
仲の良い近所のご夫婦との関係性も良かった。

久しぶりに急に帰ってきた娘と一緒に台所に立つ、二人の会話や視線、表情、久しぶりに会う家族での食事の場面。とても良い場面でした。見ていると、実家での自分を思い出したり、現在遠方に住んでいる娘と自分を思い返したり、しました。映画の中の家族には、どこにでもある一つの家族が見えます。けれど、それぞれが心の中に思いを秘め、父親へ気持ちや悲しみを静かに抱えている、見ていて言葉にならない思いがこみ上げます。

私の中の名場面は、息子を送り出す場面。
夏木さんが言う言葉と、しぐさと表情に、この映画のすべてが込められている、と感じました。


紹介していただき、有難うございました。
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