認知症になった母の面倒をみる父と、それに寄り添う姉と弟の話。
認知症になった母を自宅で懸命に世話する父親。施設に入れたい弟。どうすればみんなが納得して暮らせるか考える姉。それぞれの思い、それぞれの人生がありながら、認知症の母の面倒を看るのは本当に大変です。施設に入れるのは簡単かもしれないけど、その人の人生全てが無かった事になるのは辛いと考えるのはよくわかります。
父親が「愛する事は使える事」とどんな状況でも懸命に妻を支える姿が凄いです。
そして亡くなる前に妻との寝室から出て行く姿がとても心に沁みました。
父親が亡くなった後、一瞬正気に戻って旦那さんのことを憂う妻の姿が痛々しいです。
自分はもちろん、周囲の人に辛い思いをさせる認知症は本当に辛い。出来れば患うことなく人生の最期を迎えたいとしみじみ思った作品でした。
