あ

リバー・オブ・グラスのあのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
4.8
つまんない話を聞いている時に考える自分ごとを映像化してしまうところと、強盗を横取りするところには不意を突かれて笑いました。

垂れ切った乳とだらしのない腹回りを撫でるカメラワークが優しく、道と拳銃という簡潔な要素で物語を語り尽くす手腕がさえ渡っている映画でした。

その一方で、人を殺したのか、ゴキブリすらも殺せたか分からず、「殺人者=名前のついた誰か」になれなかった女が、最後相棒を殺せたのかも分からないし、ニューヨークまで辿り着けたのかも分からない。物語に結末が存在しないことを証明してみせた酷い映画でした。

この映画をつまらないというならば、名前のない人間のことを何とも思っていない証拠だといえると思います。自分がそうかもしれないのに。
あ