懺悔する罪がない人生。
でっちあげの罪を水曜日のミサでは告白していたと冒頭で語るが。
デビュー作を最後に観ようとは。1994年の作品なのか〜。短編とかはわからないけどold joyまで大分空いてるね。改めてデビュー作を観ると孤高のインディー作家というよりは当時の若手監督のサレオツな空気をそのままパッケージしたような気もする。ちょっとタランティーノっぽいというか同時代的なにかをそのまま出したみたいな。乳も出すかなり気負ってるというかやってやんよみたいな野心も感じる。
男が同年のナチュラルボーンキラーズのハゲが髪のある時のダサい髪型みたいなのもそんな印象。
しかし何より女優が良い。絶妙なヤサグレアバズレ感、これはミシェルウィリアムズでは無理だろう。
なんかよくわからない章立てと、ドラムの効果音はゴダールも感じる。
意外と銃の扱いに厳しい。紛失した行方を想像するシーンはなかなか笑える。
ドラマティックなことは「何も起こらない」がケリーの代名詞だと私は思っていたが、逆に「起こった」と思ってた主人公は「起こってなかった」と知ったことから結局「起こった」経緯は近年の作品を見返したあとだと凄く良い。
しかし全部水色だ、キタノブルー的な殺伐さではなくクリーミーな感じ。海や空のようにどこまで行っても世界は変わらないってことなのかな。アンチ銃映画ということで血と反対の色で埋め尽くしたというのはどうだろうか?
普通の暮らしを提案する相方をぶっ放して狂気のドライブかと思いきや渋滞気味のハイウェイをノロノロ進む主人公が運転する水色の車。