Ryan

ザ・キングのRyanのレビュー・感想・評価

ザ・キング(2017年製作の映画)
3.7
韓国の福山雅治=チョン・ウソン


ストーリー
青年パク・テスは、地方都市で検事としての仕事をこなす日々を送る。しかしある日、ソウル中央地検のエリート部長ハン・ガンシクに出会い、パクは他人を踏み台にしながら出世の道を突き進むようになる。


主演 チョ・インソン
監督 ハン・ジェリム



韓国版「バビロン」
金、地位、名誉、女、全てを牛耳る最恐集団その名も"検察"
韓国の政治家への転身でよく聞くタイプの流れを映画にしつつ、エンターテイメント性と善悪の戦いを描く展開盛り盛り映画。

序盤のナレーション込みの演出はまるで「トレインスポッティング 」ぽくもありつつ、それでいて思い切った"悪"の描き方はまさしくバビロン。
明確な悪が見えなかったのに物語が進むに連れて観客すら麻痺させてくる手腕。
「おいおい。悪より悪だよ」と思わず言わずにいられない。

この作品のラストもとても良く、伏線がこうして繋がるのかと忘れかけていた頃にしっかり回収。
さらに1番評価すべきは音楽。
Netflixドラマ「センス8」やグザヴィエドラン作品等でお馴染みの超名曲、Ludovico Einaudiの「Experience」が流れた時は鳥肌。
世界中が愛するこの曲をこの場面で持ってくるかと思わず嬉しくなる。
この映画の音楽の使い方は全体的に素晴らしく、個人的に好きな系統の音楽が多数だったため監督との相性は良いのかもしれない。

チョン・ウソンが福山雅治に見えて仕方ない。
さらにチョ・イソンがお笑い芸人コットンの西村真二に見えて仕方ない。
その辺が妙に既視感と変な故郷感を持たせてくれたのかもしれない。

思いっきりの良い映画で、好きであった。
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