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英国総督 最後の家のyoichiroのレビュー・感想・評価

英国総督 最後の家(2017年製作の映画)
4.0
12月6日 J-MAXシアター  
1947年のインドとパキスタンの独立前後、最後のイギリス領インドの総督となったマウントバッテンとその妻エドウィナを中心に、ヒンドウー教徒とイスラム教徒の対立が生み出す混乱、独立後の権益を確保しようと紛糾する印パの国境線を自国に都合よく設定するイギリス政府の暗躍などを描いた歴史ドラマ。
インド人として共存していたはずのヒンドゥー教徒とイスラム教徒が次第に対立し、殺し合うようになっていく様子は生々しく、総督邸内部でも双方の対立が広がる過程も哀しい。
ガンディー、ネール、ジンナーなど印パ現代史の偉人達が登場し、それぞれの立場で主張をして、事態が動いていくのもこの辺の歴史に疎いものとしては勉強になる。ここだけ見ていると、どうしてもジンナーが頑迷に見えてしまうが、それだけイスラム教徒の歴史的な不信や懸念が大きかったということ。パキスタンの独立式典に臨席したマウントバッテンに「想定していた国土の半分しか我々にはない。これでは独立後の国力が心配だ」とジンナーがコボした懸念はその通りになってしまっている。
キャストでは、「Xファイル」のスカリーだったジリアン・アンダーソンがリベラルで聡明で優雅なエドウィナを演じて存在感があった。
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