英国総督 最後の家の作品情報・感想・評価

「英国総督 最後の家」に投稿された感想・評価

いーい

いーいの感想・評価

3.8
本作の歴史知識を学校の教科書程度しか持っていない状態で、興味半分で見てみた。

本作は、インドとパキスタン独立時の政府関係者、そしてその近くにいたそれぞれの一国民の話である。
学校の授業ではただの単語、ないし過去にあったことらしい事柄を、人の顔が見えるように描かれている映画だった。
神聖化されやすい歴史上の人物の、人間らしさと、積み重ねられた悪しき歴史に対抗してもがき苦しむ姿は胸を打たれる。もし自分がこの場にいたら、この職についたら、どうしたらいいか、つい一緒に悩むほどだった。
登場人物が希望を胸にもがいて、もがいて得られた結果は衝撃的なもので、ああ、とつい嘆息してしまった。しかし、現実の関係者の衝撃は、人生をかけていたこともあり、観客のそれより遥かに大きかったことだろう。

上記の結果を踏まえ、それぞれの登場人物が選んだ生き方…未来に、この映画のメッセージの一つは込められていると感じた。

歴史をよく知らない人にこそ見てほしい映画である。
Haccha

Hacchaの感想・評価

4.0
インドの分裂の背後にこんな歴史があったのかと驚きがありました。ものすごい決断を瞬時に判断しなければならなかった。。いろいろなドラマがありそうで、個人的にはものすごく創造力を駆り立てられました。
keiko3

keiko3の感想・評価

4.3
インドとパキスタン、そんな背景があったとは。世界は知らないことばかり。
ゾロ

ゾロの感想・評価

4.0
「歴史は勝者によって記される」という言葉で始まるこの映画は、英国の植民地だったインドの分離独立を描いた作品
インド、パキスタン、イギリス勝者はどこ?という観点から見ました

総督の宮殿のような豪邸には様々な宗派の使用人がいて、独立後に統一インドを望む多数派と、分離してパキスタンを建国したいムスリムたちがいる中、ヒンドゥー教とイスラム教と宗派の違うジートとアーリアが惹かれあう
総督やその家族そして、ジートとアーリアがそれぞれの立場に重なるため、感情移入しやすくとてもわかりやすい

勝者はチャーチル首相

インド人とパキスタン人が宗教上から分離独立を望み、マウントバッテン卿がインドとパキスタンに分離独立させた

英国は認めただけで、分離独立前後の大虐殺や混乱やその後には無関係で、インドもパキスタンも英国連邦の構成国家となり、英国の威厳を守りました

インド独立に関する知識が浅かったため
独立をめぐる内紛があれほど多く、悲惨なものだとは知らなかった
分離も国を二つに割る国境線もチャーチル首相の思惑通りだったことが改めて、怖いと思った

ガンディーの「国は心臓と同じ 二つに割れば動かない」この言葉が耳に残った
hirogon

hirogonの感想・評価

4.0
インドのイギリスからの独立時の混乱を描いた歴史秘話。

インド・パキスタンの分離独立時の状況は、ガンジーの半生記「ガンジー」やインドの陸上選手を描いた「ミルカ」でも描かれていて、悲劇的な状況自体はある程度理解していました。

本作では、宗教対立を軸にしてインドとパキスタンとに分離独立するに至った歴史的な背景が、マウントバッテン卿を中心に政治的な視点と混乱の渦に巻き込まれる民衆の視点の両面から描かれます。

1947年。
イギリスは、200年以上に渡ったインド統治に終止符を打ち、インドに主権譲渡しようとしていた。
スムーズな主権譲渡の任を受けて最後の総督となったのが、ディッキーことマウントバッテン卿(ヒュー・ボネビル)。

第二次大戦後、チャーチルに代わって英国政権を引き継いだのは、労働党政権のアトリー内閣。
当時のインドは、長年のイギリスのインド分割統治の弊害が噴出していた。宗教・カーストで国民が反目しあうように仕向けた統治政策のため、国内では暴動・虐殺事件が頻発するようになり、イギリス統治自体が限界に来ていた。


(以下、ネタバレ)
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インドの独立方針については、統一インドと分離独立の二つの考えがあった。
・統一インド派・・・ヒンドゥー教徒・シク教徒を中心とし、ガンディー(ニーラジ・カビ)、ネルー(タンヴィール・ガニー)らをリーダーとする国民会議派が主体。
・分離独立派・・・ムスリムを中心とし、ジンナー(デンジル・スミス)をリーダーとするムスリム連盟が主体。

双方は独立方針について議論していましたが、分離独立を主張するジンナーは、その主張をなかなか曲げようとしません。
英国側もインド主流派も時間をかけて一体独立を模索しようとしていたのですが、暴動が頻発して犠牲者が増えるばかりの状況が選択肢を狭めていきます。

そして、マウントバッテン卿もとうとう分離独立の方向で動き出し、英国政府の了解も取り付けます。
マウントバッテン卿と家族は、本当にインドのことを愛して、インドのために最善の選択をしたいと考えていることが伝わってきます。ヒュー・ボネビルいいです。
しかし、彼には知らされていない秘密があった...。

隣人として暮らしてきた国民同士が、反目して国を分かつことの弊害の大きさ。
分離独立の際に、どれほどの悲劇が起こるのか?ということに対する想像力の不足。
最後まで分離独立に否定的だったガンディーは想像できていたのかも知れないですが。

インド所有の財産は、所定の比率に応じて全てインドとパキスタンに振り分けられる。
総督府の財産の振り分け作業の映像がありますが、細かいキッチン用品や食器まで分配していく様は、その後の悲劇を予感させるものでした。

特に、ヒンドゥー教徒、シク教徒とムスリムの混在率が高い地域は、国境線が運命を分ける。パンジャブ州も、分割で無理矢理引き裂かれた地域。
独立後に、民衆から分離の悲劇を糾弾されたネルーが謝罪しているシーンは悲しい。

こういった史実に、民衆側のお話を巧みに織り込んでエンタメ作品としたのが本作。
分離独立の渦に巻き込まれる男女の恋がクローズアップされます。

総督府で働く、ムスリムの女性アーリア(フマー・クレイシー)とヒンドゥー教の男性ジート・クマール(マニーシュ・ダヤール)。
アーリアは、家族とともにパキスタン側に移動しようとしますが、、、

歴史的事実と恋物語をバランスよく織り混ぜたエンタメ作品として、見応えのある作品でした。


P.S.)ファミリーヒストリー
インド・パキスタンの分離独立により、史上最大規模の移動が発生。
1400万人が移動、100万人が犠牲になる。
想像を絶する大移動と犠牲者の数。

エンドロールで女性が写った1枚の写真が紹介される。
その女性は、分離独立時、パキスタンからインドに移動したという。
その女性の孫が、本作の監督。

チラシにも書かれていますが、監督自身のファミリー・ヒストリー的な位置付けの作品。
わい

わいの感想・評価

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2018年150本目

マウントバッテン卿の事や、宗教・地名くらいは知っていたけど、分離独立であんな犠牲があったのは知らなかった。
若者の恋愛や豪華な生活などで観やすくしてたけど、事実は重いなぁと。
今になるとパキスタンは別れて良かったのかなと思ったり。
宗教問題は難しい。
ラウぺ

ラウぺの感想・評価

3.5
インドの独立については高校生の頃だったか、「パリは燃えているか」のドミニク・ラピエールとラリー・コリンズによる「今夜、自由を」を読んだことがありました。著者は映画の原作者として他の人と並んでクレジットされていました。
パレスチナ分割についての「おお、エルサレム!」と同じく、異教徒同士がモザイクのように混在する地域の分離・独立が如何に困難で大規模な悲劇を生むか?という、共通するテーマがありました。
当時のインドは4億人ほどの人々が住んでおり、ヒンドゥー、イスラム、シークの各宗教が入り乱れ、それを分離・独立させることは物理的な無理を伴うこと、宗教ごとに国を分割することはジェノサイドを誘発することは火を見るよりも明らかでした。
読み物としては非常に平易で分かりやすいものでしたが、ネルーやガンディー、ジンナーといった各宗教の指導者とマウントバッテン卿との相次ぐ協議と日に日に増す暴動と虐殺のオンパレードで、パレスチナとは明らかに規模が違う恐るべき大混乱の様相に大変ショックを受けました。

これを映画で描くとなると、本当は魔女の大釜が開いたような恐るべき大虐殺とカオスを避けて通ることはできないわけですが、この映画は総督邸内の出来事を中心に据えることで、外での大混乱は最小限度に留めるように描かれています。
映画は要人とマウントバッテン卿との会議、総督邸の各宗教の使用人にヒンドゥー・ムスリムの男女の恋愛模様を絡めることで、106分というこの手の歴史の大転換を描く映画としては大変分かりやすく、過不足なくエピソードを織り込んでいる割には、非常にコンパクトにまとまっていて、舞台を総督邸という大転換の中心点1点に絞り込んだおかげといえるでしょう。
とはいえ、やはり、あの大著を読んだ記憶からすると、吐き気を催すようなカオスの中に共存するインド的風情、更にガンディーという稀有のカリスマの圧倒的存在感といったものはどうしても希薄にならざるを得ないかな、という印象もありました。
書籍の表題にもなっている、ネルーの独立時の演説についても、前倒しで慌ただしく独立準備が進んだことと、留まる気配のない悲劇の連鎖の最中に万感胸に迫るものがあってのものであり、映画ではその複雑な想いは(テーマが違うこともあり)あまり伝わってきません。
あと30分くらい時間を延ばしてでも、もう少し肉付けがあっても良かったかもしれません。

映画はエンドクレジットのはじめに監督の祖母が独立の混乱の最中にパキスタンからインドに逃れてきたエピソードを収録して、今日まで尾を引く独立時の混乱がインドの人々それぞれに影響を及ぼしていることを垣間見させてくれます。
yoichiro

yoichiroの感想・評価

4.0
12月6日 J-MAXシアター  
1947年のインドとパキスタンの独立前後、最後のイギリス領インドの総督となったマウントバッテンとその妻エドウィナを中心に、ヒンドウー教徒とイスラム教徒の対立が生み出す混乱、独立後の権益を確保しようと紛糾する印パの国境線を自国に都合よく設定するイギリス政府の暗躍などを描いた歴史ドラマ。
インド人として共存していたはずのヒンドゥー教徒とイスラム教徒が次第に対立し、殺し合うようになっていく様子は生々しく、総督邸内部でも双方の対立が広がる過程も哀しい。
ガンディー、ネール、ジンナーなど印パ現代史の偉人達が登場し、それぞれの立場で主張をして、事態が動いていくのもこの辺の歴史に疎いものとしては勉強になる。ここだけ見ていると、どうしてもジンナーが頑迷に見えてしまうが、それだけイスラム教徒の歴史的な不信や懸念が大きかったということ。パキスタンの独立式典に臨席したマウントバッテンに「想定していた国土の半分しか我々にはない。これでは独立後の国力が心配だ」とジンナーがコボした懸念はその通りになってしまっている。
キャストでは、「Xファイル」のスカリーだったジリアン・アンダーソンがリベラルで聡明で優雅なエドウィナを演じて存在感があった。
Naoya

Naoyaの感想・評価

2.4
第二次世界大戦で国力が疲弊したイギリスは、植民地インドを去ると決定。主権譲渡のため新総督が任命され、官邸での論議を始める。歴史に基づくドラマ作。インドとパキスタンの分離独立についての物語であり、史実が描かれつつ、時代に翻弄されている男女がおり、比較的見やすく作られた恋愛要素も含んだ物語でもあります。恋愛の展開だけでなく、歴史に翻弄された様々な人物にも多かれ少なかれ描かれており、事の重大性を広い面から捉えられる内容にもなっており、1つの歴史の資料のような面もあり印象的。映画的なバラエティは少なめだが、あっさり描かれた内容ではなく、史実に基づくだけある重みがあります。
よそ

よその感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

やはり英国はロクなことしてないな。
印パ分離独立の話。うっすらとしか知らなかったけど、国を分けるって、大変なことだよなぁ。国境、宗教、民族、土地。国って何だろう。総督はいい人でインドを思っていたように描かれていたし、国に引き裂かれる2人も、個人では乗り越えられるのに、背景を背負った途端にややこしくなるんだなぁ。単純にカトラリーを按分している事務作業まで悲しい。
暴動と大量移民について、今のスラム街を作った背景らしいけど、どうしてこんなことになってしまったのか、浅学のためよく飲み込めなかったからまだまだ勉強しないとなぁ、、
総督夫人のスカリー、相変わらず頭脳明晰クール女史でした。
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