Tomo

女は二度決断するのTomoのレビュー・感想・評価

女は二度決断する(2017年製作の映画)
4.2
💥目には目をという犯罪は正当か?💥


この作品のキモは、犯人の動機や人物像をはっきりさせていないこと。

外国人観光客を狙ったネオナチの無差別爆破テロってことになるんだろうけど、それ以外の情報を曖昧にしている。

裁判もそう。
被告側については描かれず、淡々と進む裁判に対してカティヤの心情にスポットを当てている。

何より観ている側が、疑わしきは罰せずという刑事裁判の原則なんて、何の意味もないんだと憤りを感じてしまう。


そうすることで、カティヤのやり切れない怒り、絶望、憎しみ、殺意などが一層激しく感じられた。


だから、ラストは必然なんだ!


「女は二度決断する」

日本では珍しく粋なタイトルだよね笑


その決断を含め、この映画で鍵となってるのが鮮血のメタファー🩸


カティヤが血を流す時、それは生きようと喘ぐ時であり、反対に死に向かおうとする時でもある。

女は一度は決断し、躊躇した。

しかし、事件後から止まっていた女としての鮮血がきた時、カティヤはそれが正義だと二度目の決断をした。そう考えるのが自然なのかなー。

主演のダイアン・クルーガーさんの演技は素晴らしい。

でも、救われることのないストーリーであることには変わりない。



………極右政党のギリシャ人が宇梶剛士の鼻をデカくしたようで、何か1人ツボった。
Tomo

Tomo