マクガフィン

ヴェノムのマクガフィンのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
2.8
序盤は、ターミネーターのような演出で、ヴェノムの声のナレーションは「パンク侍、斬られて候」。更にアクションはブラックパンサーで、細かなディティールも既視感満載に。

人間とヴェノムの負け犬同志のコンビは、ヴェノムの過去が全て説明セリフなので、説得力を欠く。バディ感もイマイチで、凸凹コンビの方が良かったのでは。成長譚としても弱く、相互関係のような成長を演出できれば。

ヴェノムの造形に魅力は感じないが、コミカルを挟んでグロやゴアさが少ないライトなテイストは相性が良い。悲哀が薄いのは残念だが、メッセージ性もあっさりしていて、説教臭さもないのも好感。

肝心のアクションシーンは問題だらけに。寄生虫同志のバトルは、ブラックパンサーとそっくりで、同色同志のバトルが見えにくかった反省からか、色を変えて識別したことは良かったが、それでも背景が暗いので見にくい。また、演出だけでなく、カーチェイス→寄生虫バトル→人間同士のバトルのシークエンスや内容もそっくり。そもそも寄生虫の弱点が致命的過ぎるので、地球を侵略するイメージが全くわかないことが問題に。

それでも、MCU作品に比べるとコンパクトに纏めてテンポが良かったが、エンドロールと予告編の長さに辟易する。