ロッツォ國友

ヴェノムのロッツォ國友のレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
2.1
「ありがとう…」
「どういたしまして」


負け犬エイリアンと暴走コメンテーターののほほんハートフル同棲ムービー♡


ポスターにはデカデカと「最悪」の一言を書いてまでワルイ!コワイ!!を前面に押し出してたのに、フタを開けてみたら全然怖くない。
意外に可愛いところもあるやん!とかじゃなく、ほぼ四六時中あざといど根性ヴェノムくん。
良いのかこれで?
というか怖がらせる気、ないよね?



ストーリーについては真剣に作った…感じもあんまりなくて、シリアス展開は序盤がピークで後はユルむ一方。
アクションはキレキレで人が死にまくるのだけど、と言いつつそれほどハッキリとはグロシーンを見せないし、エディもヴェノムも緊張感がほぼ無い為、ダークヒーロームービーを期待していると肩透かしを食らうかも。

かといってギャグ展開を用意しているというほどでもなく、アクション的な魅せ場は一応最後まで用意してあって、逆になんとも煮え切らない感じになってしまった。気がする。



まぁ、無謀な計画で宇宙から寄生するエイリアンを連れて来ちゃった!!ってな感じのお話って、あらゆるフィクションで散々やり尽くしたネタなワケで、「今更マジメにこういう話をやったって…」的な投げやり感を感じられなくもないが、とはいえひとつなぎの作品として描くべきは描いて欲しいなぁ。

尺の都合か、終盤の展開なんかは一気に詰め込んでパパッと説明して済ませたような印象が残り余計にモヤモヤしてしまった。
ありがちな設定でももっとちゃんと盛り上げられるんじゃないでしょうかね。
うーん。。こんなもんなのかしら。



しかし画面の空気感とか、家の内装や小道具、ファッションのデザイン感については、さすがというか、非常に洗練されていてカッコいい。
でも作品的には特にデザイン性とかがメインな訳でもないし、それをハナにも掛けない感じはさすが金持ちマーベルというか。
ガチなプロデザイナーの仕事で作ったんでしょうね。めっちゃ金掛けてるけどマーベルからしたら別に普通、みたいな。

なんかストーリーや設定にもそういうノリが感じられるんですよね。
その気になればそれなりの、平均点以上のものをちゃんと用意できるけど、別にそこに命懸けてるってわけではない。
そういう成り立ちで仕上げてあるので決してゲテモノにはならないが、結果的に芯のない作品になってしまった気がする。
この辺、同じ意見の人はいるかしら。



まぁギャグトークとかガンギマリガールフレンドとかは普通に楽しいし、寄生されたエディが意識を保ったままひたすら奇行に走りまくったり一人でずっと喋ってるシーンとかは死ぬほど面白いので、トムハーディが大好きな方々はずっと楽しいかもしれない!

シリアス展開や「ワルイ」アピールはイマイチだったけど、面白展開はかなり洗練されている感じがあったので、特に何もしないけどたまに悪い人をやっつけ(て食べ)るだけの日常を描いた連続ドラマとかの方が面白かったんじゃないでしょうかね。

マーベルでやるとどうしてもスケールを大きくしないとイケナイ感が出てしまうが、逆にそれがノイズになってしまった印象。
要求されているモノと得意分野とが合わず、そのまま一緒にしてしまった感じに思えた。



んーむ
なーんつーか問答無用で褒めちぎれる作品ではなかったけど、お笑い要素はそれなりに楽しめたので、是非とも次回はおふざけコメディをやって欲しいな!w

ごっつぁんしたぁ。
暑くない?暑いよね?
ロッツォ國友

ロッツォ國友