yadokari

BPM ビート・パー・ミニットのyadokariのレビュー・感想・評価

4.0
今年(2020年)のベスト1かもしれない。去年のカンヌのパルムドールだった。エイズ活動団体ACT UP Prisのメンバーの闘いを描いたフィクション。ドキュメンタリーだけど原一男監督『ニッポン国VS泉南石綿村』との共通点もあるが民主主義の教本のような組織。

『ニッポン国VS泉南石綿村』はリーダーの元におばさんたちが立ち上がる(親父を尻目に)というパターンだが、こっちは若いゲイやレズや母さんやらが侃々諤々と議論しながら行動していく。行き過ぎた行動もあるが怒りの表出(死を前にしての)だからわかる。

製薬会社に乗り込んでコンドームに入れた血液(まがいもの)爆弾を投げたり、高校に行ってコンドームを生徒に配りエイズの講義をしたり。知識は生存のため必要で、無知は死を招き寄せるというエイズの体験。エイズは愛死だっけ。生きるための愛と死と怒りと悲しみ。(2020年07月18日)
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