一匹狼の無神論者の90歳の老人が、ある日倒れたりことをキッカケに自身の死と静かに向き合うヒューマンドラマ。ラッキーというタイトルはその老人の名前。
主演は、100本以上の作品へ出演した名脇役であるハリー・ディーン・スタントン。ちなみにこれが彼の最後の出演作となった。結果的に設定も含め、まるで彼のための映画のよう。
内容的には、劇的な何かが起こるわけではないんだけど、主人公含め、登場人物の少し捻くれたユーモアが何とも心地よく、終始ゆったりと時間が過ぎていく。
もはや何かを新たに悟るようなこともない人たちの、ただの日常がそこにあった。ただし、同じような毎日でも同じ日なんて1度もない。時間はゆっくりでも確かに平等に進んでいって、そしてそれはいつか…。
何となく、センスよく歳を重ねていきたいなと思った。