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ラッキーのgaitaのレビュー・感想・評価

ラッキー(2017年製作の映画)
4.0
ひとりで過ごすゴールデンウィークにぴったりの映画。キーワードは、孤独、リアリズム、無、スマイル。

主人公は「孤独(Lonely)とひとり(Alone)は違う」そして「自分は孤独ではない」と言い張り淡々と日々の生活を送る。しかし、その「ひとり」という現実に向き合い続けた結果訪れるのは「孤独に対する恐れ」だった。

では、孤独の先にあるのは何か。それは「無(Unguts)」だ。仲間が集まるバーで「いずれ全て無くなる」と言いすてる主人公に仲間達は問いかける。「そうしたらお前はどうするんだ?」その問いに対し、主人公は戦時中の沖縄にいた少女から得た答えを返す。

「ただ微笑むんだ」

年をとってから観たら新たな示唆が得られそうな、いい映画だった。

そしてこの主人公をハリー・ディーン・スタントンが演じているのが、にくい。演技はもちろん素晴らしいのだが、若い頃に『パリ、テキサス』はじめ数々の作品で名を馳せた彼が演じているということだけで、ストーリーに説得力に似た厚みが加わっている。
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