空きっ腹に酒

母という名の女の空きっ腹に酒のレビュー・感想・評価

母という名の女(2017年製作の映画)
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母という名の仮面の下にいるのは怪物。

自分の美しさを自分で分かっていて、“女”であることを最大の武器にして生きてる姿がとっても怖い。欲しいものは欲しいのだと、愚直なまでの欲望に、手段を選ばず、自身が産んだ娘さえもを欺いてでも手に入れようとするその姿は、血も涙もないただの怪物にしか思えない。子供は彼女にとってのアクセサリーで、男をつなぐための手段でしかないのだろうな。うまくいっていた計画がダメになった途端、すべてを放り出せてしまう無情さ。なにもかもが、彼女にとってはいつだって簡単に捨てられるオモチャでしかない。他人に対する愛なんて一切なくて、そこにあるのは見事なまでの自己愛だけだ。あー怖い怖い。そんな彼女の血を引く娘もまた“母という名の女”になったのだけど、どうかお母さんのようにはならないで、と願わずにはいられない…。
空きっ腹に酒

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