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バルバラ ~セーヌの黒いバラ~のkumiのレビュー・感想・評価

3.5
実在のシャンソン歌手バルバラの
人生を演じる女優の設定からはじまるこの作品は、
当初ブリジットという女優、バルバラ、監督、周囲の人々と
役柄を分かれて始まるのだけれど、徐々にその境界線が曖昧になり
どこからが演技かプライベートか解らなくなってくる。

途中バルバラ本人の映像が出てくるのだけれど
主演のジャンヌ・バリバールが怖いくらいに
似過ぎていて、完全に乗り移ってイタコ状態。
かろうじて喉にあるホクロでジャンヌと認識できるくらい。


この日は主演のジャンヌ・バリバール、
さらに夏木マリの朗読とトークショーがあったからこそ
映画をさらに深く鑑賞できた。

成熟、パンク、矛盾。彼女を語るキーワード。

アルノー・デプレシャン監督 『そして僕は恋をする』で
共演したマチュー・アマルリックが今回は監督・脚本・出演、
元パートナーのジャンヌ・バリバールがバルバラを熱演。

そういえば『そして僕は恋をする』で
マチュー・アマルリックに一目惚れしたんだった。
(『ベティ・ブルー』ではジャン=ユーグ・アングラード に
 一目惚れ。今も継続して二人とも好き)

命を削り人生を歌に捧げ、辛く悲しい人生であったけれど
常に愛を求め、強く生を全うした歌手であった。
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