ハマー

女王陛下のお気に入りのハマーのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.2
「ヨルゴスさんは、
シュールギャグを忘れない…
オーソドックスな地位略奪戦+ヨルゴス世界観の
「奇妙な複雑さ」を奏でたコメディ映画に昇華。
女王が魅せる表情に
何を想えば…何を笑えば…」

見出し文章に物凄く苦労した…😅
これほど主張したい一点が定まらない作品も珍しい。
(悪い意味ではなく、この作品独特の良い意味です。)

表向きだけの面白さもへったくれもない説明であらすじを書くと…

<中世の女王に従える召使いが、
どんどん地位が上がっていって、
女王のお気に入り?になる>

という話なのだが…
それで終わらないのが、
ヨルゴスランティモス 監督作品。(以降、ヨルゴスさん w)

その終わらない部分を見出しに書きたかったのだが…
考えれば考えるほど、バッチリ決まる言葉が思い浮かばない…という……
熾烈を極めました。😅
(これで勘弁して…💦)


アカデミー賞10部門にノミネート。
「おいおい💦 ついに審査員まで毒されてきたか💦」
と心配しましたが、
結局、主演女優賞のみ。
ある意味でホッとしました🤣
(作品賞取ってたら、「うぉぉぉぉ‼︎ 審査員狂った!!😂やったー!」ってなってたけどw)

主演女優賞は、オリヴィアコールマン が受賞しましたが、
これはまさに
レイチェルワイズ
エマストーン
と、3人の主役級で取った賞と考えると凄く納得が出来る受賞です👏

起:★★★★☆
承:★★★★☆
転:★★★★☆
結:★★★☆☆
シュールギャグ度:★★★★☆
ドロドロ度:★★★★★
ストーリー展開:オーソドックスな時系列展開で、まだ観やすいw
演出/人間の複雑性:★★★★★
日本では売れない系の映画度:★★★★★
時代考証度:★★☆☆☆
(意図的なので、得点には影響無し)
映画館で観る価値:魚眼レンズ から映し出される「歪み」「窮屈」感を効果的に感じたい方は映画館で。


だいぶ前に書いたの万引き家族の時は、
「是枝監督は、答えを提示しない監督だ。ー」

と評しましたが、ヨルゴスさんは、
「真面目の中に潜むシュールギャグ/ブラックジョーク。
或いは、
笑って良いものなのか観客を困惑させる演出。を好む。ー」

監督さんだと思います。
お笑い芸人の千鳥さん的にいうと
「癖が強ぃ〜‼︎」という奴ですww🤣
(強過ぎですがw)

酷評する方が多そうなので、
今回は、出来るだけ絶賛側の立ち位置でその魅力に迫っていきたいと思います。


■「演出/人間の複雑性」を楽しめるかどうか。🤔
本作を楽しめるかどうかの一番のキモだと思います。
後は…笑えるかどうか💦
物語自体は、とてもシンプルなので時系列はとても追いやすいのですが、
時折ぶっ込んでくる「ヨルゴス世界観」についていけるかどうか…次第。🤔


■女王の見え方が、前半と後半で変わる。女王役が一番美味しい。👏
サラ アビゲイル は、まだ分かりやすい一貫性の強いキャラ。
一方、アン女王 は、
多分人によって見え方が一番異なるんじゃないか…🤔
それくらい一番複雑に描かれているキャラクター。
最低のシーンから最高のシーンまで。

「人間の心の複雑さの象徴」としても取れると思います。

故に一番嫌われ/好まれ るタイプの人間だと思います。🤔
この女王の見え方に面白さを感じたのなら、グッと面白さが上がります。


以下、ネタバレ。










■エマストーンの◯◯◯◯必見!!🤣
僕が観賞するに至った決定打です🤣
だって、主演女優賞取った方の◯◯◯◯ですよ‼︎
そのクラスの女優なら、もうそういうシーン断れるぐらいの力を持っているにも関わらずだ。

ちょっとしか見れないとか聞いたので、目を血走らせながらエマを追っていましたが🤣
普通にボロンと。(`・ω・´)b

ちゃんと、起承転結のターニングポイントに効果的に使ってます。
(物語の展開として意味のあるボロンです。)
後で調べましたが、
このシーンで脱いだのは

「エマストーン自らの意思です。」

オリヴィアや流石のヨルゴス監督も
「No!!💦No!!💦」と脱がなくてもいいアピールをしていました。
(シーツうまく隠す演出を予定)

しかし、監督が「本気でそう思ってる?」
と聞くと、
エマが「もちろん本気よ」
という、合意の上での撮影がなされた。
自ら申告し、作品のクオリティ向上に一役買ったエマの女優魂に大いなる拍手を👏

そして、そんな下心全開の◯◯◯◯を期待して見に行った自分に、
「馬車の中でアビゲイルを見てシコる」シーンが冒頭らへんで上映された時は、下心見透かされた感がやばかったです🤣

■笑いどころだと思うところ。(個人的に笑ったとこ。)
・look Me!!
・自慰
・アヒル
・肉
・エマストーンのみてはいけないものを見てしまった時の顔
・17(これは笑わない方が良かったけど、観賞中は本当かどうか分からなかった為、ギャグと消化してしまった…)
・天国🤣👍
・平手打ち‼︎
・手コキ
・リンゴ?を裸のカツラ男にフルーツ投げつける謎のゲームww

■「17」…アン女王は、17回子供を亡くした一人の女性。
これは、調べた限りでは史実。
僕はてっきり、ヨルゴスさんのありそうでなさそうなギャグ的数値だと思ったので、笑ってしまったのだが💦

夫婦仲は良く毎年のように妊娠はしてたそうですが、
6回流産。6回死産。他幼少期にほぼ亡くす。(最高11歳の男の子)
計17人の子供をお腹に宿した。
(やはり母親の方に原因があったらしく、抗リン脂質抗体症候群(APS) を患っていたとされているそうです。)

17回も子供を亡くした母親、女王には、この世界がどのように映るのだろうか…
希望だろうか…
絶望だろうか…

映画では、ちょうど中盤くらいでこの話が出てきて、一気にアン女王の見え方/解釈が変わる。
映画を見終えてから、アン女王のことを調べて、この感想にたどり着くことができた。
ギャグとして受け終わらずに良かったと、心から思います。

■一番好きなシーン:
「ここは天国。そしてあそこにいるのが、あなたを助けた人。」
もう最高やった!🤣
こんな生きた心地のしない助けられ方ってある?
寧ろ本当に天国に行った方が良かったのでは?w
ちょっとは我慢せぇよww💦

<余談>
ヨルゴス作品は、吹替もかなり面白い会話劇になっている為、DVD化されるのが楽しみです。
ハマー

ハマー