スコット

女王陛下のお気に入りのスコットのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.8
俺もエマ・ストーンに陰であくどい表情されながら介抱されたい...。そしてポスターの3人、全員が違う方向を見てるのがもう、そういうことだよね...。

18世紀初頭、フランスと戦争状態にあるイングランドの王国宮殿での話。
17人もの子供を失い、肉体精神共に壊れた女王。
その女王の心につけ入りその権力を専横する、強かな側近。
実の父に賭けの対象とされ、ドイツ人の愛妄となり零落した没落した貴族の娘。

これだけ魅力的な登場人物と設定があるのに、ほぼ実話というのがまた凄い。人間のドロドロした感情は300年以上前でも存在していて、それで国が傾く事もあるだなんて、人間は昔も今も、良くも悪くも本質的には変わってないのね。(※手じゃなく舌で×××するという理由で女王の側近と成り上がったとかビックリ。多少脚色はあるのかもだけど)

森の中で馬に乗った美男美女が出会うシーンは、ディズニーばりにめっちゃ画になるのになぜか滑稽に演出したり、人が死ぬかもって時に挿入されるのが太った醜い男の全裸のシーンとか、このセンスにもいちいち良い意味でぞわぞわする。

結局見終わって思ったのは、人間が欲望によって誤った道を進むと、誰も幸せになれないんだなぁという世知辛さ。あまり後味の良い話では無いけど、ドロドロした話が見たい時にはオススメの作品。俺自身そういうの好きなので、なかなか面白かったです。

身体を張った演技で見せるエマ・ストーンのエロさ妖艶さ、淡々としながらどこかミステリアスさを醸し出したレイチェル・ワイズの佇まい、そして何より、この作品でアカデミー賞主演女優賞に輝いたオリヴィア・コールマンの左目と右目で演技を変えるという狂気の熱演、必見です。
スコット

スコット