美術館のキュレーターとして有名なクリスティアンは、良き父親であり、慈善活動を支援するなど、周囲から尊敬されていた。他人への思いやりを促すインスタレーション「ザ・スクエア」の準備に追われていたある日、彼は財布とスマートフォンを盗まれてしまう——。
第70回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。
ブラックな「社会風刺」が見所の作品。面倒ごとに巻き込まれないために、見てみない振りをする。文句は言っても、当事者にはなりたがらない。これは、日本でも良くある事だ。この当事者意識の無さが、どれだけ怖いのか、この映画を観て思い知らされた。
特に、2時間辺りから最後にかけて、映画の表現に凄みが出て来る。それまでは、時間をかけた前置きだと思う。
「社会風刺」だけあって、欧州の情勢を知っていたら、もっと深く作品を理解できたのかもしれない。