レオ

テリファーのレオのレビュー・感想・評価

テリファー(2016年製作の映画)
4.1
ハロウィンの夜を楽しむ若い女性2人は街中で大きなゴミ袋を担いだ不気味な道化師に出会う。この道化師こそ、後に語り継がれる虐殺事件の犯人「アート・ザ・クラウン」だった。2人はクラウンの魔の手から逃れる事が出来るか?というストーリーの(B級?)スプラッターホラー。

84分と短いながら濃密な恐怖と痛みを与えてくれる強烈な作品。予算の中で出来ることを最大限にやってくれていて非常に満足できる。

まず、ストーリーの大枠は一見ごく普通でシンプル、むしろ中身がないとすら言える内容である。

確かに全体だけ見るとその通りなのだが、その中にも主人公格の交代であったり、この手の殺人鬼の禁じ手とも言える戦法の登場があったりと意外性のある展開が詰め込まれており、退屈に感じる事がない。まさに開けてみるまで分からないびっくり箱的な楽しい印象がある。

ゴア描写にも若干チープな造形ながらオリジナリティが見られ、他の映画では見たことのないような殺され方をする人がいて凄い。

また、殺人鬼アート・ザ・クラウンも他の道化師キャラと行動、ルックスの両面で差別化が出来ていて恐ろしいホラーヒーローの誕生を予感させる。

コイツの怖いところは、他のスプラッターの殺人鬼の多くが主に首や手足あたりを狙いに行くところを、顔面、特に眼球周辺という人間が一番やられたくないあたりを積極的に攻撃して来るところ。必然的に死体も生存者も見るも無惨な姿になる。道化師らしくコミカルな動きはたまに笑えるが、改めてめっちゃ怖い。

何気に緊張感を煽る音楽もカッコ良く、ドギツイ内容ながらこのジャンルで見てきた中だと準傑作レベルと言って良い作品だと思う。

■共通項目
脚本:☆☆☆☆
映像:☆☆☆☆
音楽:☆☆☆☆
役者:☆☆☆
キャラクター:☆☆☆☆☆
オリジナリティ:☆☆☆
個人的好き度:☆☆☆☆

■ジャンル項目(ホラー、スプラッター)
ビックリ度:☆☆☆☆
ドキドキ度:☆☆☆☆☆
グロ度:☆☆☆☆☆
(恐怖度:80)
レオ

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