コリアンダー

血を吸う粘土のコリアンダーのレビュー・感想・評価

血を吸う粘土(2017年製作の映画)
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東京の美大を目指して田舎の予備校に通う5人と、東京から逃げた過去を持つ先生。彼女たちのただでさえ陰鬱とした日常が壊れていくストーリーは始終可哀想で面白かったです。
東京へのコンプレックスが渦巻く教室でギスギスと切磋琢磨する女子たち、5人しかいない生徒間で下心を発揮する男子、ヒステリックに叱る先生、謎の粘土、謎の男… 悲鳴に乗ってテンポよく転がる粘土の物語に幾度も笑いが込み上げました。
たった1人の執念が起点となった呪いが巡り巡って辿り着くラストはダイナミックでドラマティックでなんとも爽快!


最初は粘土でホラーというのがよく分かりませんでしたが、控えめな鼓動から始まり、ぐちゃぐちゃ潰れて再構成したり、人間の形をとりながら武器を生やしたり、大きな口を作って呑もうとしてみたりとバリエーション豊かな動きで飽きませんでした。

なんだかんだ極限状態でもちゃんと子どもを守ろうとする先生はちゃんとした大人で、ちょっとした運の悪さでこんな悲劇に見舞われたのが気の毒で、とても良かったです。
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