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家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。のkyotoのレビュー・感想・評価

3.5
本作品は、夫婦とは何か、相手を思いやるとはどういうことかを考えさせられる作品です。
 映画の冒頭で、本作品のタイトル通り、夫が帰宅すると妻役の榮倉奈々さんが死んだふりをしているという日常が始まります。死んだふりを通して、何か伝えたいことがあるのか、それとも、ただ構って欲しいだけなのかは分かりませんが、来る日も来る日も死んだふりをし続けます。死んだふりには様々なバリエーションがあり、中には、「え!そんな死に方あり!?」みたいな死に方もあります。そんな榮倉奈々さんの姿を見て、きっと皆さんもほっこりすることでしょう。これだけでも、一見の価値はあると思います。
 しかし、映画も終盤に差し掛かると、死んだふりの意味や、妻が伝えたかったこと、そして、妻と夫とその周辺の人々に巻き起こるドラマを通して、夫婦の有り方を考えさせられます。また、夫婦だけではなくて、現代の日本人なら誰しも考えたことのあるような問題を通して、人が相手のことを思いやる気持ちについても考えさせられます。
 榮倉奈々さんの様々な死に方が見られるだけではなく、死んだふりをする妻が、ふとした瞬間に見せるシリアスな表情だったり、榮倉奈々さんの演技の幅広さを実感することもできるはずです。
 様々な側面から楽しむことが出来る作品だと思いました。
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