Jimmy

熱砂の秘密のJimmyのレビュー・感想・評価

熱砂の秘密(1943年製作の映画)
4.2
ハラハラドキドキ面白いビリー・ワイルダー監督のサスペンス映画。
物語の戦場にある廃墟のようなホテルが舞台であるが、最初は「戦争映画かな?」と思ったら見事なサスペンスだった。登場人物がいろいろな機転をきかせて物語が進んでいくあたりはさすがワイルダー監督。こうしたウィットに富んだ映画、好きだなぁ~、…と思う。

砂漠を走る戦車。しかし、乗組員はほとんど死亡しており進んでいるだけ。…と思ったら、一人の兵士が生きていた。この兵士、外気を吸おうと思ったら戦車から落ちてしまって砂漠の中に置いてけぼり。彼が辿り着いたのは、廃墟となっているホテル。
そこは空襲にあって、生き残っているのはメイド(アン・バクスター)と給仕(エイキム・タミロフ)。エイキム・タミロフは、あの名作『誰が為に鐘は鳴る』で卑怯な男を好演した俳優。
戦車から落ちてホテルに辿り着いたのはイギリス軍のグランブル伍長(フランチョット・トーン)。グランブルがホテルにいる時に、敵軍のドイツ軍&イタリア軍がやってくる。グランブルは意識がもうろうとしていたので、エイキム・タミロフがホテルのカウンター裏に伍長を隠すのだが、ここで「グランブルが敵軍に見つかって殺されるのではないか?」とドキドキする。すごいサスペンス感。
そして、グランブルが隠されているカウンターを敵軍が移動させる場面などは、これまたハラハラ…。
グランブルは空襲で死んだ給仕ダヴォスになりすますのだが、彼の死体は地下にある。これを見つかったら、偽ダヴォスということがバレてしまう…。
敵将ロンメルの信頼を得られた偽ダヴォスは、イギリス軍側のスパイとしてロンメルの秘密を探ろうとする。ロンメルが「戦争物資を隠した場所」のヒントを言うのだが、本当のダヴォスは知っているはずが偽ダヴォスなので判らない。これを懸命に考える偽ダヴォス。ようやく意味が分かって、ロンメルの地図をコッソリと手描きで写そうとする場面などは、かなりドキドキ…。

この映画、ハラハラドキドキだらけである…(笑)

いやぁ~、本当に面白いビリー・ワイルダーのサスペンス映画だった。
Jimmy

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