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真っ赤な星のyyのレビュー・感想・評価

真っ赤な星(2017年製作の映画)
5.0
観終わったあと 胸が締め付けられしばらく席を立てなかったし、この映画のことばかりを考える日々が続く…

陽と弥生、取り巻く周りの環境とその過去。女同士、年の差がどうこうではなく、人が人を愛し人に愛されるということ。またそれを求め望むことについて考えさせられるような絶妙な心情の描き方が綺麗で苦しくて美しい。井樫監督は言葉にならない感情を作品に落とし込む天才かな?寄り添って、そっと抱きしめるように丁寧に作品を紡いでいる。間のとり方も心地良い。

弥生を演じる桜井ユキさんの演技も素晴らしく、遠くを見つめ煙草を吸っている姿に魅了され続ける。吸い込まれそうな美しさに脱帽…物語に何度も訪れる感情を爆発させるシーンに涙止まらないよ。
小松未来さんの役どころはとても難しかったと思います。もどかしさ切なさに押し潰されそうなまっすぐな陽を見事に演じていらっしゃいました。

自身の過去と重ねてしまうから余計にどうしようもないもどかしさと共感があるのだけれど、観終わったあとにはそっと過去を許してもらえたような、肯定されたような気がした。若き監督の今後の作品が楽しみで仕方がありません。
前作『溶ける』に増して強烈に脳に焼き付く色彩美もこの映画の見どころ。

切なさと愛しさが交差する、新しい純愛映画を観ました。
公開されたらひとりでそっとまた映画館で観よう…。
全力でお勧めします。
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