真っ赤な星の作品情報・感想・評価

「真っ赤な星」に投稿された感想・評価

むぎて

むぎての感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

いつだって消費されるのは赤ばっかで悔しくて悔しくて声をあげて泣くやよいちゃんがきれいで消えちゃいそうに生きてた

ぜんぶあげる、もやよいちゃんはなにが欲しい?も赤青のチェックの陽ちゃんで、ちゃんと太陽の陽でようちゃんだった

このレビューはネタバレを含みます

22歳の新人監督作とは思えない完成度。そして、娼年、スマホを落としただけなのに、で脱ぎ担当だった桜井ユキが真骨頂発揮。ただこっちでは乳首見せないけど。

彼女のやさぐれ感、男に体売ってる時の無の表情、リアルな体つき、時折見せるハッとさせるほど美しい顔など素晴らしかった。

内容はかなりヘビー。主人公の陽は暴力だけでなくレイプまでされてしまう。主演の子が気弱な感じかつあまり美人でもないっていうのがいかにも虐待受けそうな感じで嫌なリアリティだった。

虐待する義父も援交親父も閉鎖的な土地の他にやることがない嫌な男感満載。毎熊さんも爽やかながらダメな男で、優しげながら責任を持ってくれない。

そんな世界で陽と弥生は寄り添って生きていくしかない。
でも多分その関係も永遠ではないだろう。

陽にも弥生にもまたいずれ好きな人ができる。友達男子の家に泊まった時に、無言で彼の布団に入っていく陽にギョッとした笑。

でもつかの間だからこそ、この二人の関係は美しい。


話だけでなく陰影の効いた室内や車内、空にぽつんと映るパラグライダーの映像も美しく、見惚れてしまう。

安易な表現だけど凄く詩的な映画でした。

ちょい画面暗すぎて何映ってるかわからないシーンが多いのが残念だったけども。
青、赤、緑、濃紺、橙色。鮮やかな色彩の背景とは対照的に女性ふたりが置かれている状況は暗灰色のように重々しい。

ふたりを色で例えるなら弥生が赤で陽は青。真っ黒に塗り潰されそうになりながらもお互い補完し合い、自分の色を保とうとする。

大きく澄んだ青空に揺らめく赤いパラグライダー。14才の陽にとって憧れの女性弥生は、暗闇の中から見つけた特別な星に見えたのかもしれない。

エンドクレジットの曲はイメージと合わなくて少し残念。選曲は監督がしたのかな。22歳の新星は、これから誰の色にも染まらないで独自の色を放って欲しいと思いました。
映画『真っ赤な星』鑑賞

初日は200席を超えるテアトルが満席だったと聞きいてましたが、土曜でしたが客数は3割くらいでKsなら埋まってたかもしれないくらいです

以前月イチ映画祭で観た『溶ける』の井樫彩監督の
初長編作品という事で、ずっと心待ちしてた作品

女性監督だとか若干22歳だとかPFFだとかカンヌだとか
そういう視点は、なるべく外してみなければと思い鑑賞いたしました

パラグライダーのシーンが特徴的で
全体的にロケーションは美くしく目に残り
作品として象徴として心に残ると思う

全体的に行間が広く、あえて時間経過を省いてる感はありますが。上映後のトークで
『”陽”が”弥生”の家に居座って、しばらくして一旦自宅に戻るまでは全部、弥生の服を着てるからブカブカだったりしてるけど皆さん気が付きました?』とゲストの方(井樫監督の友人で映画とは無関係のモデルさん)が話していたけど、いや、それは普通に気が付くしストーリー的にも自然な部分で、そこは感激するような部分じゃないと思いますが、でも
、そういう当然な部分に手を抜く作家さんが、それだけ多い事も事実なんでしょうね、そういった面では、細部まで気を使ってる映画だと感じました

そういう細かい美術面を描く事で、行間の広さ、余白の多い部分を十分に補足出来ていると思います

ストーリーに関しては
僕としては冒頭の病院での二人の交流を、もう少し長めに描いてほしかったと思う
『溶ける』同様に、性に対する嫌悪感を前面に出していて
多分、男には理解しきれない部分も多いかと思う
でも何故、車内なんだろう?単にホテル代節約なのか?
僕はヤルなら環境は整えてから楽しみたい派なのですが
そこも映画としての演出で
嫌悪感を描きたいという事なんだろうか?

若い女性監督が、よく使うパターンの話だけれど
ここまで嫌悪感、同時に、どーしょもなさ
を強く感じたのは久々でsた

テーマとしては、愛というより固執なんだと思う
それは自分に無い部分を補う為の補完作業なのだから
すごく執着するだろうし求めてしまう

結果として”救い”の物語だったのだと思う
あそこで二人は別れるのが正解だと思う
しかし
最後で解り合えてしまったので
その別れの日は先延ばしされてしまった

弥生が背負ってるものは、陽と比較にならないけど
陽にしても、

タイトルの意味に関しては
陽の名前の由来を語るシーンがあったので
真っ赤な星とは、そのまま陽の事を指してるのかな
弥生にとって太陽に陽がなれたなら
それが陽の希望にもなるのかな

最後に
ちょいと暗がりのシーンが多くて
もう少し明るくしてくれたなら良かったかな
もちろん、暗がりが効果的になってる部分もありましたが

あと、後半少し長く感じたかな
終盤はもう少しテンポ早くした方がいいかもしれない
個人的にですがね

まだ正直、咀嚼し切れてない実感があるので
機会があれば、また観て観たいです
AS

ASの感想・評価

4.2
自由への渇望を象徴するものとして青空を羽ばたくパラグライダーの「赤」、叶わぬ願いと知りつつも寄りすがる対象として夜空で輝きを放ち続ける「星」、両者が一瞬交錯する天文台という舞台装置の役割は非常に大きい。後半各シークエンスのぶつ切り感が本当に残念だけど、22歳の新たな才能はその落胆を上回るものを生み落としてくれた。
社会の片隅で必死にもがく二人の魂の共振が、いつかは自らが世界を照らす存在になれるよう導けますように
minorufuku

minorufukuの感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

14歳のヒロインは入院中に親切に接してくれた看護師・弥生に憧れ以上の感情を抱いていたが、その彼女はヒロインの退院前日に退職してしまう。1年後、夜間に買い物に出たヒロインは、道に停めた車中で男に身体を売る弥生を見かける。学校には馴染めず不登校で家にも居場所のないヒロインは、ある出来事をきっかけに弥生のアパートに転がり込むことになるのだが…という話。あらすじがとても僕好みだったのでレイトショーで鑑賞。

説明が少なく、状況や少ないセリフの対話から登場人物たちの境遇や感情を推測させる。いわゆる「余白の多い」と表現されるタイプの映画。生々しい描写も目立ったので勝手に年配の男性監督が手がけているのかと思っていたら、20代の女性監督の作品と知ってびっくり。
美しい映像表現でじっくり見せる手法は好きなのだが、本作は若干余白が多すぎるように感じた。僕が男性なこともあるのだが、ヒロインたちに共感するために最低限必要な情報や謎が出揃うまでがあまりに長いので、ずっと戸惑いながら観ていた印象だった。入院中のヒロインたちが心通わせるエピソードをもう少し入れた方が良かったかも。
ただ、登場人物たちの関係性が把握できた中盤以降は、孤独で行き場のない主人公2人が惹かれ合って傷ついて行く様を上手く表現していた。かなり重めの同性愛を描いていて観る人を選びそうではあるが。主演の小松未来は本作で初めて見たのだが、ヒロインと実年齢が近いらしくまさに等身大な演技に引き込まれた。重くて過激な役柄だけど。相手役の桜井ユキも悲しい身の上の女性を好演していた。
全体的に良さが伝わりきれていない作品だと感じたが、監督は邦画のエンタメ志向に染まらずにこのスタイルを貫いて欲しい。
kakeru

kakeruの感想・評価

3.9
前作「溶ける」は未見だが、本作を観て井樫監督は余白を恐れない人だと感じた。長回しの多用によるゆったりとした間合い、説明の少ないセリフ、そこから生じる余白がしっかり残っていて心地よかった。何となくだけれど、今年見た「四月の永い夢」に似たものを感じた。
長回しもそうだけれどカット割りが新鮮。特に冒頭から繰り返される脚のアップが印象的だった。
井樫監督は撮影当時21歳だったそう。今の自分と近い年齢の監督がこのような作品を撮ったことに衝撃を受けた。どんな人生を送ってきたのだろか。
映像の美しさとは対照的に弥生と陽の生きる現実は厳しい。彼女たちは友情とも恋愛とも違う孤独で繋がっている。果てしない孤独の末にたどり着いた共依存的な関係が見ていて痛々しかった。
タイトルの真っ赤な星、弥生にとってそれは空を飛ぶ赤いグライダーであり、陽である。ラストシーンの朝焼けの太陽が闇夜を明るく照らすように、陽の存在が彼女の孤独を照らしていってくれることを思わず願ってしまった。
eee

eeeの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

劇場でポスターを観て、気になって、その日に鑑賞しました。
後半、赤い服を着て寝転ぶヤヨイ。
友達の家で、青い服を着て横になっているヨウ。
それが、ふたりに、最も距離がうまれたシーンに見えた。
でも、
青い炎は、赤い炎よりも熱いから、
ヨウがいつか、ヤヨイちゃんを包む予感も同時に感じた。
冒頭の鮮やかな空と緑の風景に、赤いパラグライダーが、遠くに遠くに見える。
小さい頃、飛行機雲を見つけた時とかに、心の中で「見つけた」と思ってた。
恋もそうかもしれない。
いま、思えば、ヨウはヤヨイちゃんを見つけた。それが救いになるなんて自覚もなく。
好きな人が涙を一筋ながす。その人と目が合う。14歳のヨウはその瞬間、穴をたくさん埋めてもらったんだと思う。
ヤヨイの部屋にある、穴があいた網戸。それをいつの間にか、ハリネズミのアップリケで埋めたヨウ。自分たちに穴を空けた人たちのことは、忘れようと言ってるみたいにも見えた。ちがうかな。どうかな。
後半、躊躇なく「全部あげる」と、眉をしかめずまっすぐ言うヨウ。抱きしめ合うふたり。その後のラストシーン。同じ空を見ているふたり。でも、その時のヨウのセリフで気づく。ふたりの顔の角度が微妙にちがう。見ている先は、思い描く未来は、それぞれちがう景色なんだとも思ってしまう。
切ない。
「真っ赤」な色は、ところどころ、様々なシーンで目にしたけれど、言葉通りのに赤い星は、夜空のシーンでは1度も目にしなかった。
真っ赤な嘘をつけるのが大人。
ヨウはどこかでそのことに気付き、14歳で、またはそれよりも早く、大人にされたのだと思う。
でも、それでもヨウは、きれいな星をきっと見つけ続けると思う。ヨウの一等星であるヤヨイちゃんを。
ワンカットで見せるところは見せててよかったけど、時間経過が多く、感情が切れてしまった印象があったのが残念
監督が若かった時何歳にしてこの作品とか何の言い訳なんだ。歳関係なくないか。作品が全てじゃね。
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